大手発ベンチャー企業、ワークライフバランスを諦めず働ける環境がここにはある 〜株式会社セガ エックスディー 吉岡篤志さん〜

日本の社会にはひたすら働きキャリアを作るならベンチャー企業が最適、家庭を持つなら大手企業が安心という考え方がまだ根強くあるのが現状です。
「ベンチャー企業でもキャリアや家族との時間を諦めずに働くことができる」 総合エンタテイメント企業である株式会社セガのグループ企業、株式会社セガ エックスディー(以降、セガXD)では、働くメンバー全員のキャリアと育児どちらも諦めない環境づくりを実践しています。今回はパパ社員として1年間の長期育休を取得した吉岡篤志さんに、育休中の思いや現在の働き方についてお聞きしました。

セガのグループ企業として設立したセガXD


ー御社の事業について教えてください

弊社はセガのグループ企業として2016年に設立しました。
行動経済学やゲーミフィケーション(ゲームのメカニズムを非ゲームの分野に応用しながらユーザーのモチベーションを高め、その行動に影響を及ぼすこと)をコアメソッドにしたCXデザインを事業領域としています。ゲーム作りで養ってきた人々の感情を動かすノウハウを強みに、日々企業課題や社会課題の解決に取り組んでいます。

最近では、障がい者雇用研修で使用する為のボードゲームの開発やセガの人気キャラクターと VRサービスを活用した商業施設の回遊を促す施策などを行っています。

事例集

ー働きやすい環境への取り組みや制度についてお聞かせください

弊社では大手の堅実さとベンチャー企業としての柔軟さを持ち合わせた強みを活かし、シンプルですが働きやすい環境づくりを行っています。主な制度がこちらです。

  • 産前産後休暇
  • 育児休業
    最長2年まで取得が可能。3歳になるまでは育児時短を組み合わせるなどして育児に注力できる。
  • 育児時短制度
    子どもが小学校就学に達するまで、時短勤務が可能。3歳に達するまでは、子の病気等を理由に欠勤しても、給与控除がない。
  • 子の看護休暇

また、2019年からセガサミーグループ所属社員が利用できる「セガサミー そらもり保育園」が開園しました。対象年齢が2歳までの小規模保育園ということもあり、保育士も充足していて、手厚く面倒を見てもらえる印象です。

吉岡さんのキャリアや現在の働き方について

プロフィール

職業:ディベロップメント&グロース部(漫画アプリのサービス開発・運営)
勤務年数:16年目
お子さんの年齢:1歳
居住地:東京都

リモートワークスペース

ー入社されたきっかけを教えてください

セガへ入社したのはゲーム開発に関わりたかったからです。新卒で入社し、今年で16年目になります。キャリアの前半はスマートフォンやモバイルゲームの開発に携わっていました。その後キャリアの見直しを行い、当時はまだ、セガの新規事業部門として設立された場所で、非ゲーム領域の開発や新サービスの立ち上げをしています。その後、子会社化されて現在に至ります。

ー御社で担当されている業務内容を教えてください

育休前は多数のプロジェクトを横断的に参加していましたが、育休後は漫画アプリ開発の業務に専念しています。ちょうど育休取得時に社内の組織体制の変更を行っていたので引き継ぎと一緒に業務の整理ができました。


ー現在はリモートワークと出社のハイブリッド勤務だとお聞きしました

そうですね。弊社は社員同士の対面コミュニケーションも大事にしているので原則週2日出社ではありますが、残りの3日はリモートワークをしています。リモートワークの比率は部署ごとに違いますね。

今は子どもが小さいので体調不良で休むことが頻繁にありますし、コロナ禍で保育園自体が休園してしまう時もあり大変でした。ですが、妻も同じセガグループで時短勤務をしているので、お互いリモートワークをしながら交代で子どもをみることが出来たので助かりました。

子どもが生まれる前はフレックスということもあり、昼から夜にかけて仕事をしていましたが、今は子どもが保育園に行った後の午前中が一番集中できる時間ですね。朝のうちに頭を使うタスクを終わらせておくと1日スムーズに仕事ができます。子どもが産まれてから健康的な働き方に変わりましたね(笑)。


ー出社勤務のメリットについても教えてください

やはり1番のメリットはコミュニケーションですね。対面で話す方が情報量も多いですし、雑談も気軽にできます。普段コミュニケーションを取らないメンバーとも話せるので仲間意識が高まりますし、人間関係が良好だと仕事もしやすくなると感じています。そういった面でも出社するメリットはとても大きいですね。

愛着と父親としての自覚が芽生えたパパ育休

お子さんと


ー育休を取ろうと思ったきっかけは何かありましたか

家族が増えることを考えた時に、国としての育休制度があるのならば使ってみようかなと思ったのが最初です。ですが、弊社で育休を取得した男性社員はまだいなかったんです。私自身、新しいチャレンジが好きなので、前例を作ってみようと思い1年間の育休を申請しました。難色を示されることなく受け入れてもらえましたね。


ー育休前の引き継ぎ等の準備はいかがでしたか

会社へ育休を取るという報告は半年前にしました。
先ほどお話したように、会社が大きくなり組織の体制を変えようとした時期だったので、引き継ぎの時に自分が持っていたプロジェクトを整理できたんです。複数の仕事を持っていたので、1ヶ月前から引き継ぎ作業は綿密に行いました。所属する部署のリーダーやメンバーが配慮してくれたので感謝しています。


ー1年間の育休を取得してどう感じましたか

夫婦で仕事をせず子育てに専念する機会はなかなかないので取得して良かったと思います。2人で分担して育児ができるので、家庭全体のストレスが少なくなった印象です。

以前から子どもが苦手だったので育児ができるか心配でしたが、育休を取って子どもと長時間向き合えたので愛着が湧き今も育児ができています
とはいっても、育休取得直後は1年も仕事を止めなくてはいけないという不安もあったのが正直なところです。弊社はSlackを使って連絡を取り合っているのですが、事務的な連絡以外は通知が一つも来ない状態にしてくれたので徐々に気にならなくなりました。会社側が配慮してくれたんだと思います。

育児に対応できる時間があれば安心して仕事ができる


ー育休明けはスムーズに復帰できましたか

業務については育休前に引き継ぎと棚卸をしていたので比較的スムーズに復帰できたと思います。それでも、育児と仕事を両立できるのかという不安はありましたね。

ですが、復帰して最初の2ヶ月くらいの期間を慣らし期間として上司をはじめ、周りの人がフォローしてくれました。一年仕事を休んでいる状態でいきなり育休前のパフォーマンスを出せるか心配だったので有り難かったです。


ー育休復帰後に苦労したことはありますか

子どもの急な体調不良や保育園からのお迎え要請の対応には現在進行系で苦戦していますね。育休取得した男性社員は弊社では私が初めてですが、社内にはママ・パパ社員が多く在籍しているからか、子供理由の急な中抜けや欠勤に対しての反応は寛容で持ちつ持たれつの関係だと思います例えば、子どもが体調不良になった場合はフレックス制度を活用し、一旦業務をストップして病院へ連れていき、夜に業務を再開する感じですね。ベンチャーとはいえ、大手出身の会社ということもあり仕事と育児のバランスが取りやすい会社だと思います。中抜けできる心の余裕があると安心して仕事に取り掛かれます。

子どもがいてもキャリアは重ねていける


ー育児と仕事を両立するに当たって何か工夫していることはありますか

時短になる食洗機や乾燥付き洗濯機を購入し、家事の負担をなるべく減らそうとしています。ただ、それでも私の業務が忙しくなると、時短勤務の妻に家事負担が回ってきてしまう為、そこのバランスが難しいです。できるだけ育児や家事を妻に任せるのではなく、家電などで効率化できる部分は投資し、それ以外の家事育児は主体的に参加しています。長期育休で育児全般や食事の世話ができるようになったのは大きいですね


ー今後のキャリアについて

男性の育休は以前のポジションが無くなったり、出世街道から遠のくという話は耳にしますが、子どもがいるからキャリアを諦めるようなことはしたくないなと思っていました。

キャリアも育児も自分の生活において、とても大事な要素です。ここを両立して活躍する姿を体現することで、社内のメンバーやこれからジョインする人たちの実例になれたらと思います。

株式会社セガ エックスディーHP

編集後記

がむしゃらに働いてキャリアを作ることや、育児をするなら大手に転職するのが安心という考え方ではなく、柔軟な働き方でキャリアを重ね、育児にもコミットできることを体現しているセガXD。吉岡さんをはじめ、社内のメンバーの方のより良い環境を作りたいという思いが伝わるインタビューでした。
育児というライフイベントを迎えるパパは、妊娠をして体に変化があるママのように生まれる前から実感できる瞬間が少ないですよね。そういった背景から、育児を自分ができるのだろうかと不安になるパパもいると思います。育休は今後の育児の関わり方にいい影響を与えるきっかけになるのではないでしょうか。






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