「株式会社CHINTAI」は、約50年間にわたって賃貸住宅情報を提供し続けている先駆け的存在。
子育てと仕事を両立できる制度も積極的に取り入れています。今回は、部署の責任者として第一線で営業に従事しながら、1カ月間の育休を取得した佐野さんにインタビュー。育休取得によって生じた変化や育児との向き合い方について語ってもらいました。
目次
育児休暇取得を経て、管理職はこうあるべきという思い込みから離れられた
—入社のきっかけと現在の業務内容を教えてください。
2014年に新卒で入社しました。
「広く人々に新しい常識を提供したい」と広告業界をメインに就職活動し、内定を3社いただいた中で、①下積みという文化がなく、即戦力として働ける②社員間の風通しが良い③(社長を目指したかったので)社員数が少ない会社といった点に魅力を感じました。
現在は、賃貸物件の空室情報を扱う「CHINTAIネット」の広告枠を不動産会社に営業する部門の管理職(関西支社 支社長)として勤務しています。
—第2子誕生後に育児休暇を取得されたそうですね。
上の子が2歳、下の子が1カ月半の時に、1カ月間取得しました。どちらかが上の子を見て、どちらかが下の子を見るという体制を取れましたし、夜泣きの時も翌日の仕事のことを考えなくていいので、しっかりとサポートできました。
営業職ということもあり、これまで妻に家事育児で負担を多くかけてきましたが、一番大変な時期に協力できてよかったと思います。
—業務面ではいかがでしたか?
私は管理職ですが、営業として個人の数字も持っていたので、育休を取ると単純にプレーヤーが1人減ることになります。取得前は所属部署の売り上げが下がってしまうのではないかという不安はありました。しかし、私の不在が結果的に社員の成長につながったんです。一例を挙げると、指示したわけではないのに、若手社員が新規顧客との関係構築を進めていて感心しました。
実は、育休と言いながら前半の2週間は、電話やチャットなどでかなり密なコミュニケーションを取っていたんです。しかし、後半になるとほぼ自走できるようになり、事後報告という形に変わっていったのも、メンバーの成長を感じた点です。
執務中の佐野さん
—復帰後に苦労したことはありますか?
特にありません。弊社では育休は当然とるべきという企業風土が確立されており、「育休を取ることで居心地が悪くなったり、その後の仕事に悪影響があったり、といったことは全くありません。普通に復帰して、復帰前のように働き始めるだけでした。
ただ、家事育児面では妻の負担割合が増えてしまうので、できるだけ残業しないよう効率化し、早く帰宅できるよう意識しました。
—どのように効率化したのでしょう?
やらなくていい仕事はしない、やらなくてはならない仕事はすぐに終わらせることでしょうか。管理職という立場上、あれもこれもと業務を抱え込みがちな自分に気づいたんです。管理職はこうあるべきという思い込みから離れて、本当に自分がやるべきことだけをやるという意識に切り替えました。
仕事は自分で作っていく社風だから、スケジュールも柔軟に調整
—現在の働き方について教えてください。
営業部門なので基本的に外に出ており、直行直帰が多いですね。水曜日は不動産会社が定休日のことが多いため基本的には在宅勤務ですし、水曜以外も自分のスケジュール管理上問題なければ在宅勤務をしています。
仕事は自分で作っていくという社風で、業務の進め方やスケジュールは、柔軟に調整できる自由度があります。細かなルールは部門によって異なりますが、在宅勤務や時差出勤もOKで、効率よく業務に取り組むことができ、プライベートの予定も立てやすいですね。実際、妻が切迫早産で入院となった時も、これらの制度を活用して乗り切りました。
—子育てをする上で、会社の制度で良かったと思った制度はありますか?
育児をしながら働く女性も多く、活躍できる会社なので、育休取得や子どもの都合での早退、有給取得に対してかなり寛容ですし、育児と仕事の両立を支援する制度はたくさんあります。実際に活用するしないは別として、多様な働き方を認めてくれる会社だと社員が認識していることが安心感を生み、良い企業風土を育んでいるのではと思います。
—今後のご自身のキャリアをどのように考えていらっしゃいますか?
営業部門全体をもっと働きやすく、楽しくしたいですね。その目標が達成できた時にこの会社から独立し、次のステップに進みたいという展望を描いています。起業となると、妻の家事育児の負担割合が多くなってしまうと思いますが、「その分稼いでくる」というのが、私たち夫婦が合意しているスタイルです。
ただ、「家事育児割合は夫婦間で平等であるべき」とも考えているので、早い時間での家事育児で貢献できない分、夜でもできる家事などで貢献したいと思います。
経営管理室にお聞きしました。株式会社CHINTAIはこんな会社
—事業内容を教えてください。
賃貸物件情報提供が主に新聞広告だった時代に、いち早くアパート・マンション専門情報誌「週刊賃貸住宅ニュース」を発刊(1975年)。以来、賃貸物件情報を提供しています。(2025年にサービス開始50年を迎えます)
「CHINTAIネット」をはじめ、待っているだけでLINEに希望の物件が届くサービス「CHINTAIエージェント」、一人暮らしの女性向けに特化したお部屋探しサイト「Woman.CHINTAI」など一人一人のライフスタイルに沿ったお部屋探しサービスを展開しています。
さらに、引越後の暮らしをトータルサポートすべく、賃貸業界初となるやむを得ない引越しを補償する「住みかえ解約補償」などのサービスも展開しています。
—働きやすい環境への取り組みと社内での反応について教えてください。
- 時差出勤制度
業務に支障のない範囲で自分の都合に合わせて就業時間から勤務する時間をずらして働くことができます。 - テレワークサポート手当
自宅のテレワーク環境を充実させるためのサポート費用を毎月支給しています。 - 全社員ワクワク会議
年に一度、支社を含めた全社員が集まり、レクリエーションなどの社内交流を通して親睦を深める機会があります。
- ベビーシッター補助制度
小学校3年生までの子を養育している社員がベビーシッターを利用した場合、補助金が支給されます。 - 育児中の時短勤務・勤務時間変更制度
小学校3年生までの子を養育している社員がライフスタイルに合わせて、勤務時間を短縮・変更できます。 - ファミリーエクスペリエンス制度
家族との時間をより豊かに過ごしてもらうため、男性社員本人もしくは女性社員の配偶者が育児休暇を取得した場合に、会社から支援金を支給する制度です。
2022年4月に男性育休に関する法改正が行われたのをきっかけにできた制度で、女性社員の社外配偶者にまで目配りをしている制度は珍しいのではと思います。
弊社の男性社員からは「育休取得に対して金銭面での不安がなくなった」、女性社員からは「夫に『こういう制度があるから育休を取ってみては?』と相談がしやすくなった」といった声が届いています。
- その他制度
https://www.chintai.jp/recruit/culture - 社内の反応
出社とテレワークを併用し、自身の仕事の状況に応じてパフォーマンスを出しやすい環境を選んで働けたり、時間帯の調整がしやすかったりすることから、働きやすいという声はよく聞こえてきます。
特に子育て中の社員にとっては、時短勤務・勤務時間帯変更制度にて、働く時間だけでなく、働く時間帯も選べることで、より自分のライフスタイルに合った働き方ができている様子が見受けられます。育休からの復帰後は時短で働き、すぐにフルタイムに戻すのではなく、少しずつ、家族の様子もみながら勤務時間を伸ばしていくという社員も多いです。
—今後取り組んでいきたいことについて教えてください。
- 社員への制度周知
制度の内容はもちろんですが、活用した社員の方の実績やエピソードなども含めて必要になる前から知ってもらうことで、より有効的に活用してもらえると考えます。 - 働きやすさと仕事へのやりがいをさまざまな面からアプローチ
「育児がしやすい」「女性が働きやすい」というだけでなく、若手、中堅、ベテランそれぞれが生き生きと働き続けられるような環境を目指していきたいと考えています。
自分自身のキャリアを今後どのように築いていくか、自ら考えていく機会も作っていこうと、新しい人事制度を運用開始したところです。
—子育て中の社員にとって会社がどういう場になればよいと考えていらっしゃいますか。
「子育て中」と一言で言っても、子どもの年齢や子育ての環境、大切にしている考えはそれぞれだと感じています。社員自身の考えを大切にしながら、子育ての環境やタイミングに関わらず、仕事へのやりがいを感じられる会社であると良いなと考えています。そのためにできることは何か、制度/仕組み/その他の面から考え続けていきたいです。
編集後記
「みんな優しいですよね」インタビュー中、佐野さんはこうおっしゃいました。例えば、子どもが熱を出したと保育園から連絡が入ったら、「すぐに帰ってあげて」と、周囲が気遣うとか。制度が充実しているだけでなく、人が優しい会社。それが 株式会社CHINTAIの企業風土だと感じました。
職業:会社員(営業部門 管理職)
お子さんの年齢: 4歳・2歳
居住地:大阪府
勤務形態:固定時間制