ライティングのオシゴト〜私がライターになるまで〜

ライティング
ライターになるまで

今回は、ライターO山の仕事「ライティング」について、お届けします。先輩在宅ママインタビューでザッと自分の人生とライターになった経緯を語らせていただきましたが、今回はO山から見たライティングのオシゴトについて書かせていただきたいと思います。

ライターという職業自体知らなかった…

就職活動に本腰を入れなくては、と思っていたその時、頭の中を占めていたのは、「海外に行きたいから、お金を稼がないとなー」という漠然としたもの。O山の就職活動時は、氷河期真っ只中で、悠長なことを考えている余裕はなかったはずですが、なぜか漠然と海外へ行きたいという気持ちがありました。(むしろそれしかなかった…!)

そもそも「ライター」という職業が、就職活動中の脳内を駆け巡ったこともありませんでした(笑)。最終面接まで行った会社に落ちた時に、

「もう焦るのはやめよう。どうやって海外に行けるのかを考えよう。」

と、すっかり考えが切り替わりました。焦りやすい面はありますが、基本性格は楽観的です。

大学卒業まではバイトに明け暮れ、卒業旅行は約1ヶ月ヨーロッパをバックパッカーで旅しました。そしてありがたいことに、割と早く事務職に就くことができました。

世界一周という、夢を叶えたゆえの喪失感

ライターへの道
ギリシャ、サントリーニ島の夕焼け

社会に出てから2年ほどで結婚。夫と「60歳になるまでに何をやりたいのか」をポストイットに書き出し、それを二人で精査していきました。その時、唯一二人で合致した共通の目標が、

「世界一周」

でした。60まで待っていたら、貯金はあっても家族に異変が起きているかもしれない。家族が元気なうちに旅をしようと二人で決めました。

そこから3年ほどお金を貯めて、2008年の4月下旬から12月上旬まで約7ヶ月世界一周の旅を決行。その時に経験したことは、今振り返ってみても宝物のような出来事ばかり。(もちろん日本じゃ考えられないハプニングが続出しましたよ!?グアテマラの空港で2泊とか。キューバで顔以外全身じんましんが出たとか!)現在、コロナ禍で海外旅行ができるかどうかもわからない状況だからこそ、2008年のタイミングで行けたことに感謝です…。

そんなワクワクするような毎日でしたが、バックパックだけを背負って、泊まる場所も気まま…な生活を継続していくと、少しずつ心が疲弊していくわけです。定住できないって、心許ない…!

ドイツに暮らす友人に会った時、彼が属していた日本人コミュニティーの人たちとの飲み会に参加しましたが、その中にいた人に

「帰国してから仕事がない状態で旅をしていて不安に思わないの?」

と言われました。

今考えると、当時夫と私は20代だし、子どももいなかったから、怖いものなんてどこにもなかったんですけどね!そう思いません(笑)?

けれど、投げかけられた質問は、世界一周の旅を終えてから12年は経つのに、未だ鮮明に残っています…。それと同時に胸を張れる何かが欲しい、と強く考えるようになりました。

ライター,イグアスの滝
アルゼンチンのイグアスの滝。首都ブエノスアイレスでは”ケチャップ強盗”に遭遇…

ずっとやりたかった世界一周を成し遂げて、

「これだけじゃ何か物足りないかも…」

と思うようになってきたんですよね。何と欲深なことか笑。

ライターへの道

その頃には「自分がやったという証」が欲しい、と思うようになっていたのです。

帰国後O山は別な仕事をしながら、アプリのレビュー記事を在宅で執筆することから始めました。記事を書く仕事は、何より「自分が書いた文章が残る」という嬉しさがありました。書き上げた時の達成感もたまらないし!

地域に特化したサイトに、美容のコラムや自分でアポ取りや取材、撮影までしたお店の紹介記事を掲載してもらうなど、少しずつ実績を重ねるようになりました。

待っていても仕事はやってくるわけでもないし、初心者ですから量をこなそうとかなり必死でしたね。

初期の頃は、

「書かせてもらうだけでありがたい」

という気持ちで、記事の値段を気にすることなく、書いていました。もう、チャンスがあったら、無償でも良い。修行させてもらえるという気持ちでいました。

ライティングで何より大切なことは…

「ライターという職業なんだから、人とは違うセンスのある文章を書かないといけない。」

ライターとしての実績を積んできたO山はそんな風に感じるようになりました。

美容の通販冊子や販促物を作る制作会社では、その意気込みで文章を書いて、ライターの先輩にチェックしてもらいましたが、返される文章はいつも真っ赤…。

「文章として成り立ってない!!!」

とキツく言い渡されることもあれば、別な先輩にチェックしてもらったところ、読んだ途端に大笑いされたこともあります。しかも、

「文章として破綻してるー 」

ディスられまくって、心の中では泣きましたよ…。

それでも、自分の文章の問題点は、「大人なんだから難しい文章でないといけない」という固定観念が植え付けられていることがわかりました。そう、難しく(カッコつけようとして)書こうとして、かえって読みづらい文章にしていたのです。

文章を書くポイントは、

「誰が読んでもわかる文章でないといけない」

というシンプルなもの。小学生が理解できる文章を目指しなさい、とよく指導されました。

特にWEBで見受けられますが、文字の変換間違いで明らかに前後の繋がりを成さない文章などを発見することがあります。

在宅でライターをするなら、丁寧な文章を書くこと。読み返して、つまずく箇所があれば、何度も読み直し書き直すという地味な作業を繰り返すことが何より大切だと考えているので、文章とは何度も向き合うようにしています。読み返すと、自分が思っている以上におかしい部分があるのです(笑)。

あと先輩からよく言われたのは、「読書をすること」ですね。

産後1年半ほど専業主婦だった時があり、その頃はよく息子と一緒に図書館で本を借りました。主にミステリーを読むことが多いのですが、その時は時代小説を勧められて、読んだらハマりました。当時は大体180冊くらい読んでいたようです。(恋愛小説は一切ナシ…笑)この時期は息子が2、3歳ということもあって、就職活動らしいこともできず、焦燥感であふれていました。けれど、この時期に読書量が増やし、作家さんの主語と述語が整っている文章にたくさん触れたことは自分の糧になったと、今感じています。

ライターは名乗ったもん勝ちかも!?

私の夫から聞いた話ですが、夫のお店に某雑誌で編集長をされていた人がいらっしゃったそうです。その時に、夫が元編集長さんにどうやって書く仕事に就いたのか聞いたそうですが、

「ライターなんて、名乗ったもん勝ちだよ。」

と言われたそう。

確かに、ライターは難関な試験を突破して、資格を得てから活動ができるという職業ではないです。

思い切って名乗ってしまえば、もう「ライター」の仲間入りができてしまう…それはO山も激しく同意します!

過去を振り返ってみてください。私たちは小学生に進級した頃から、作文や読書感想文など、文章を書くことを繰り返し訓練しています。だから、みんな“書く”ことには多少なりとも慣れがあるはず。そう、きっとみんな”ライター”!

人との縁で、仕事をいただけている

ライター、縁
Never Ending Note に記録した、私の旅の想い出。現在も更新中です!

2012年に集英社さんで、新しいエンディングノートを作るので、一緒に考える編集員を募集、という募集をたまたま見かけたことがありました。ライターへの道は、いろんなことにチャレンジすることだよなーと応募したところ、なんと編集委員に当選。

このエンディングノートは、若い人でも楽しみながら書ける、新しいスタイルのエンディングノートというコンセプト。編集委員でいろいろと意見し、『Never Ending Note』というタイトルに決定しました。この話し合いはとても良い想い出ですね。

出来上がったのが左側のピンクのエンディングノートです。(年月を経て、ピンクが時を刻んでいるわ…。)

今回令和ver.が出るということで、当時の編集長からご連絡をいただきました。感激!

制作会社でライターとして勤務する前に、地域の情報サイトを運営されている方と知り合ったり、この集英社さんでの編集会議で知り合い、仲良くなった人から出版社を紹介してもらって、そこの編集からコラムのお仕事をいただいたり。

付き合いが数年空白だったとしても、再びお仕事の依頼をいただくということが何度もありました。

自分でアポイントを入れ、つかんだ仕事の縁はずっとつながっています。そして、いまでもその縁に助けられていると強く感じています。

最後に

「書くことに慣れていないんだよね。」

とおっしゃいながら、書かれた文章を読ませていただいて感動したことが何度もあります。

文章にはその人の心や想いが詰まっています。だから、読者にとって、幸せを与えるものになれば、凶器になる場合もあります。不思議と時間がない状態で書いたものには心がこもっていないことが多く、第三者にはすぐわかってしまうもの。LINEでのやりとりでもわかりますよね!何気ない一言なのに、心が篭っているのか事務的なのかすぐわかってしまう、そんな経験はないでしょうか?

集客のことやテクニックのことを考えると、二の足を踏むのがよくわかります。特にWEBはSEOに強い文章が求められますが、まずは丁寧な文章を作ることを心がけるのはいかがでしょうか。

そして、恐れずチャレンジしてみてください!前進することでチャンスや縁を掴むことができますから!