この記事はこんな方におすすめ!
▶子どもの夜更かし対策について専門家の意見が聞きたい。
▶子どもへの効果的な声がけのポイントを知りたい。
▶毎日子どもの寝る準備に苦労している。
ご自分のお子さんがしっかり寝てくれたら…。ママやパパにとって、これほどありがたいことはありませんよね。
今回は、子どもの睡眠に悩む、はたママ編集部員の悩みについて答えていただきました!
子どもの睡眠時間はO山にとっても悩みのタネ。子どもがの寝ている時間はがチャンスと思って仕事をしていましたが、昼寝が長いと夜中に起きてしまうので親子で寝不足に。その生活が続くと仕事の質がどんどん悪くなっている気がしていました。当然体調も優れず…。さらに子どもに対してもイライラが募ってしまって…。この悪循環をどうにかしたい!と悶々としていました。
答えてくださったのは…
前回在宅ママインタビューに出てくださった、モンテッソーリ教育の先生である杉えみこさんです。(杉さんのインタビューはこちら→前編・後編)
Q. 夜更かしをしてしまう我が子への対処法を教えてください!
息子(2歳7ヶ月)の寝る時間が、22〜23時ということが増えました。この前なんて24時半とか…!
子どもが以前よりも体力がついたことも一因だと思いますが、私たち夫婦の生活リズムの影響もあるのかな…?と気になっています(汗)。
もともと私は夜型で朝が苦手。
あとは、子どもの自己主張がますます強くなっているため、寝室に連れて行くのに難儀しているというのもあります。
歯磨きもスムーズにやらせてくれません。これは前に、歯磨きを歩いたり立ったりしながらやろうとしていて「危ないよ」と言い続けたことでやる気をなくしたのかも。もしくは、たまに夫が歯磨き担当することもあるんですが、わりと羽交い締めにしてやっていたことがあるんですよね。それも嫌になった原因のひとつなのかなー…とか。
「歯磨きしよう」「ねんねしよう」と言っても、遊びに夢中でこちらの話は聞いてくれません(涙)。なるべく集中しているときは声掛けしないようにしているものの、寝る時間になるとそういうわけにもいかず…。待ってもなかなか動こうとしない息子に対して、つい口うるさいほどに声かけてしまいます。前は、プラネタリウムを買って、それで寝室に誘導していましたが、今やその効き目もまったくなく…(汗)。
というわけで、朝もなかなか起きません(8時間は寝ていますが、放っておくと10時間近く寝ることも)。起こしてもしばらくボーッとしてスイッチが入らず、朝食もほぼとらない状態で毎朝バタバタで保育園に向かっています。
ロングスリーパー、かつ朝が弱い私に似ているのかもしれませんが、夜更かしの影響が一番大きい気がしています。
そこで、少しでもはやく寝室に行ってもらうためにはどういう声かけが有効なのか、日々の生活で何を見直したらいいのか教えていただきたいです!。
杉さんからのメッセージ
A.寝る時間だけにフォーカスするのではなく、トータルの睡眠時間を考えに注目し毎日のおおよそのスケジュールを決め、リズムを整えてみてはどうでしょうか。
睡眠時間が余りに短い場合、脳が疲れて活性化してしまっているのかも。
その子が1日何時間眠れば機嫌良く起きられるのかを観察することが大切だと思います。2歳7ヶ月でトータル8時間は少ないかもしれません。
保育園で何時間お昼寝しているかを知り、そして家では何時間寝ているか。
働くママやパパ達が調べるのはなかなか大変なことだと思いますが、このトータルの睡眠時間を親が把握することがとても大切。
保育園でお昼寝の時間があっても、家で夕寝をしなければ20時くらいには眠れるはずではないでしょうか。
相談者さんのお子さんが夜更かしをしてしまうのは、脳が疲れすぎて覚醒している状態なのではないかと思います。
夜眠いのにネットサーフィンなどしていると、ずっと起きてしまう…なんてことが大人になった私達でも経験がありますよね。
脳がクリエイティブなことができなくなっていて、慣れていることをひたすら繰り返し、眠さを通り超している状態です。
本来子どもは保育園から降園後、眠くなっているタイミングがあるはず。
歯磨きを嫌がっているのか、疲れすぎて嫌がっているのかと考えたとき、眠すぎて歯磨きを嫌がっているのではないか、と私は推測します。眠る前の22時頃、体は疲れているのに、脳は活性化している。その状態なら「歯磨きなんてしたくない!」となりますよね。
睡眠時間を把握することは最初は大変かもしれませんが、リズムを整えれば子どもはすやるべきことを全部自分でやるようになります。
「大まかな流れを作ってみること」を意識してみては?
子どもは基本的に「同じであること」が好きです。1日の流れが決まっていると、安心しますが、リズムが崩れると不安になってしまうのです。
例えば、ご飯が食べられると思っているのに、食べられないとなると非常に不安になりますよね。でも必ず決まったことが行われるというのが、子どもが安心を感じ、親への信頼へも繋がります。そのため、本来はお母さんにお子さんに毎日同じことをしてお子さんにやってほしいですね。
でも、毎日同じことを繰り返すのはなかなか難しいというのが現実。
ママやパパの都合の都合もあるでしょうし、特別なイベントに連れて行き、帰宅が遅くなるなんてこともありますよね。決まった時間に縛られると、誰もが辛く、苦しくなってしまいます。
決して無理するのではなく、「大まかな流れを作ってみること」を意識するのはいかがでしょうか。
大体同じリズムにすれば、子どもが次の行動はどうすれば予測がつき、安心して次の行動ができます。
うちの子どもを例に出しますが、
「ご飯というものは配膳する・食べる・片付ける、その三つで食事だよ。」
と伝えています。食事が終えると必ず子どもがキッチンまで運んでいます。運んだ後に「ごちそうさま」をして、そこから子どもの遊びがスタートです。
「まだ食べているでしょ」「お皿を運んでよ」というお小言を一切言わなくて良いし、親としてはとても楽です。
私は夜型ですが、子どもだけは20時に寝かせるようにしています。
子どもに自分の夜型を付き合わせるのではなく、子どもは必ず20時に寝かせ、そこから自分の時間を増やすようにしています。あと、遊びの集中を途切れさせたくない、というのもありますね。
それが夜の21時や22時だと、それは遊びの集中ではなくて、惰性の可能性があるかも。
モンテッソーリの園の始まりを例に出しますが、朝からモンテッソーリの仕事をすると、朝は活力があるから集中してお仕事をしていますよね。
本来活力がみなぎる朝にだらだらと過ごし、夕方や夜にかけて精力的に遊んでしまうと、子どもだって夜型に。そして朝の起床も辛くなりますよね。しっかり目覚めていないから、ご飯も食べられなくなります。それはとても悪循環。
その悪循環を断ち切るためにも、しっかり朝から行動できるようにしたいですね!
基本的には16時以降には寝かせないようにするのがいいかもしれません。とは言え、寝ているのを無理に起こす必要はありません。人間には睡眠のリズムがあり、お子さんの寝ている様子を観察しているとわかると思いますが、身体を揺らし出して寝返りを打つときが眠りの浅くなったサインです。その時を見計って、起こしてあげると良いですよ。
2歳7ヶ月のお子さんだと19時くらい、5歳くらいのお子さんなら20時までに入り、21時までに入眠というのが理想ですね。
夜にはテレビや動画も避けるのをお勧めします。内容に反応しているのではなく、光刺激に脳が反応しているだけということもありますから。
お子さんが眠くならないのは、単純に眠くないし、眠りたくないから。そして脳が覚醒しているからですね。
子どもと目線を合わせた、行動・声がけを心がける
「早く寝なさい」と子どもに言っても子ども内容を理解することはできません。子どもは「お母さんはいつも怒っている人」という風に捉えるだけです。
例えば、言うことを聞かない子どものおもちゃを取り上げたとします。親はこの子のため、きっとこの子は反省してくれるだろうという希望を持ちますが、子どもは、内容を理解することは一切ありません。ただ「おもちゃを取り上げる嫌な人」と認識します。毎日口すっぱく言っている、ということは結局何も改善されていないのと同じ。目線を子どもと一緒にしなければ、子どもには一切伝わらないのです。
相談者のお子さんは、昔はプラネタリウムに興味があったけど、今は全く喜ばないということですが、子どもは常に成長しているので、今のお子さんの状況には合っていないということだと思います。
在宅勤務だと、時間に関係なく、子どもが寝たタイミングで仕事に没頭することが多いと思います。リズムが整っていないと子どもは1日疲れたままという状態です。
お子さんのリズムを整えるというのは簡単なことではありません。まずはどこをどう変えるのかを決めることから初めてみてはいかがでしょうか。それから、少しずつ子どもに理由を説明しながら生活を整えていくのが良いと思います!
睡眠時間の調整にチャレンジ!
杉さんのアドバイスで子どもの「睡眠時間のトータルを増やしてほしい」とあったので、私と息子と一緒に19時半には布団に入るようにチャレンジしました。
するとどうでしょう!日によって違うものの、息子は20時から朝7時まで寝るのが習慣に。
私も同じ時間に寝るので、朝すっきり目覚めるようになりました。(起床は息子より早いですが。)朝に仕事時間を数時間確保することが可能になりました。やはり朝に仕事ができるって効率が良い!
子どもの睡眠時間は私にとっても悩みのタネだったので、非常にためになりました!在宅勤務をしていると、子どもが寝た時間にまとめて仕事をしていましたが、それが悪影響だということを深く実感。もっと早くお話を伺っていれば…と思ったくらいです。
仕事と育児、両方のバランスがしっかり取れていると、社会人としても母としても自信が持てるようになりました♪
杉えみこさんプロフィール
モンテッソーリ教室を主宰や講座開催。一人でも多くの方に、子どもの発達や子どもの見方を知っていただくこと、また子ども達自身の育ちをサポートされています。
教室URL:Child-Planet モンテッソーリスクール