子どもの自主性も育つ!?在宅勤務のすすめ~セントワークス株式会社・西村優子さん


セントワークス株式会社では、在宅をはじめとする柔軟な勤務制度を導入して、一人ひとりがプライベートも大事にできる環境を整えています。今回は、実際に在宅勤務をしているママワーカーの西村さんインタビュー。復職早々にお子さんが入院するという試練を乗り越えて、3人の子育てと仕事を両立する日々を送っています。
 

西村さんプロフィール
名前: 西村 優子 
職業: 会社員(事務職)
お子さんの年齢:小4(9歳)、年長(5歳)、2歳
居住地:東京都

西村さんのキャリアについて

―現在どのようなお仕事をされていますか?
当社が販売している介護の請求ソフトがあり、契約していただいたお客様にアカウントを発行したり、初期の設定を行ったりする部門に所属しています。私はその設定が正しい内容か、納品する前に確認をするという業務を中心に行っています。

西村さんの在宅勤務風景


 
―これまでのキャリアについて教えてください。
前職も介護業界で派遣で働いていました。ところが、その会社の事業が譲渡および継承されることになったんです。そんなとき「うちに来ないか」と声をかけていただいたのが、当時のセントワークスのIT部門の部長、今の当社の社長でした。それで、2007年に何人かと一緒にセントワークスに移りました。入社当初はパソコンを営業所に納めるために初期設定をしたり、当社のシステムのヘルプデスクを行ったりしていました。その後結婚して長男を妊娠出産し、育休を取得。復職したときに今の業務を中心にやるようになりました。その後も2回育休を取っています。
 
―入社した当時と現在で働きやすさや女性の活躍ぶりは変わってきましたか?
 入社当時はITの部署で今は開発部署なんですが、ITや開発は基本的に男性社員が多いんです。なので、その部署で育休を取ったのは私が初めてでした。男性が多くいる環境で働いていたので、育休をとって家事と仕事を両立させながら仕事を続けていくことに対して少し不安はありました。けれど、社長や現部長がそのあたりをすごく理解してくださっていて、育休もすんなり取らせてもらえました。復職もスムーズでしたね。世間では、復帰しても仕事を回してもらえなかったなんていう話も聞いたことがありますが、私は全然そんなことはなく、むしろとても忙しいくらいでした。
 ところが、そんな育休明けの忙しい日々を過ごしていた中で、長男が病気で入退院を繰り返すようになりました。結局その年は半分くらいしか会社に行けなかったのですが、周りの方が「できるときに挽回してくれたらそれでいいから」とか「気にしなくていいよ」とか言ってくれてありがたかったです。とても働きやすい環境で、その時は辞めようかなと思ったけれど、辞めなくてよかったと今でも思っています。
 
―半分くらいしか会社に行けない時期をどのように乗り切ったのでしょうか?
 最初の病院は親が付き添っていないといけない病院で、一度入院すると1週間くらいは入院するんです。ですから、復帰の半年で有給休暇40日を全部使ってしまいました。1カ月間入院する時は有休もとれなかったので、部長がありとあらゆる会社の休業制度を調べてくださったんです。その結果、介護休業が適用できるということでしたので、介護休業を取ってずっと休んでいました。
 
―前回、御社の一之瀬さんに話をお聞きしたときに、2012年くらいからワーク・ライフバランスを推進するようになったという話を聞きましたが、ちょうどその時期でしょうか。
 私が育休を取っている間に、そういう話が動いていたみたいで、今会社はこうなっているんだよという話を聞いて、ずいぶん変わったなと感じました。私にとってはいいタイミングでした。

西村さんの現在の働き方について

―今はどんな働き方ですか?
週1日だけ出社して、あとは基本的に家でリモートワークしています。長男が小学4年生で、下の2人が保育園に通っているので、朝保育園に連れて行って、家で仕事をして、夕方に迎えに行くというサイクルです。
 

骨盤エクササイズができる器具を使いながら仕事をしています


 
―在宅勤務のいい点はどんなところですか?
私が出社していたときは、長男は学童に行かざるを得ないという状況でした。小学校低学年の時はまだ一人でお留守番ができないので、特にそうでしたね。在宅勤務の今は、いつでも家に帰ってこられて、好きな時に学童に遊びに行けるというかたちで、子どもも楽みたいです。
 
下の2人に関しては、今までは多少具合が悪くても、無理に預けていました。それで長男が入院してしまったという面もあるんですよね。今はちょっと調子が悪そうだったら家で様子をみることができます。やはり出勤の時と比べて保育時間が短くなるので、子どもたちの負担も少なくなると思います。
 
それと、学校や保育園の保護者会や個人面談など、何かあったときに半休を取らなくても、休憩時間にちょっと行くこともできます。子どもの習い事も、今までは土日だけとか平日の遅い時間にしていたのですが、業務終了してすぐ連れて行けるようになったので、習い事の幅も増えました。
 
―週1出社というのがしっくりきているのでしょうか。
私自身の業務は出社しなくてもできるんです。どちらかというと会社の規定で週1回と決まっているから行っている感じなので、月1回出社でもいいかな(笑)。
 
―リモートだとちょっとした雑談や声掛けができないという声も聞きますが、西村さんは同僚とのコミュニケーションとは問題なくできているのでしょうか?
 私は、リモートだからとか対面だからとかはそんなに気にしていませんね。今は会社でLINEWORKSを使っているんですが、LINEで会話するのはもともとそんなに苦じゃないので特に問題はありません。
 
―在宅勤務はいいことずくめなんですね。困っていることや課題はありませんか?
 会社の規定では、勤務できる場所が自宅または実家になっているのですが、どこでも可能になればもっと働きやすくなるかなと思います。例えば、子どもの習い事の遠征に付き添う場合や家族が入院した場合など、自宅外で業務ができたらありがたいです。
 
―これまで育休で計3回ブランクがあったかと思いますが、復職への不安などはありませんでしたか?
 
長男のとき…社会から切り離されたみたいな感じがしたのもあり、復帰したときに一生懸命になりすぎて空回りしてしまいました。
 
2番目のとき…保育園に入れなくて1年半くらい休んだんです。休みすぎると今度はそろそろ働きたいなという気持ちの方が強くて、復帰した時はすごく新鮮でしたね。
 
3回目ともなると…もはや母は強しですよね(笑)。何も気にせず当たり前のように復帰。休んでいる時に仕事のことはあまり考えませんでした。保育園が決まってからやっとですね。仕事復帰するというのを自分の中でイメージできたのは。
 
―第1子、2子のときの経験と企業風土が相まって、大丈夫だろうなという安心感があったのでしょうか。
 
それもあったと思います。
 
―育児と仕事の両立で工夫していることはどんなことですか?

 子どもが一番大事なので、何かを考えたときにまず子どもを中心にしたいと思っています。もちろん仕事は仕事で全うするんですが、子どもに無理をさせてまでという働き方は考えていません。できる範囲内でやるという感じですね。それは家事もそうで、家事を完璧にやろうと思うと、たぶん子どもが蔑ろになるので、ある程度の手抜きはします。たとえば、土曜日はご飯を作らないと決めていて、土曜日に1週間分の食材をまとめて買う時に、夜ご飯も一緒に買っちゃうんです。あとは平日にご飯を作ろうとすると時間に追われるので、休みの日に一気に作って、解凍して出すようにしています。それから、仕事の休憩時間に掃除機をかけたり、買い物に行ったりしています。これは在宅勤務ならではですね。

奥のパソコンはお子さんの小学校から支給されたもの。仕事をしている西村さんの横で一緒に宿題をしているそうです。

はたママ読者へのメッセージ

―最後に、はたママ読者へのメッセージをお願いいたします。
 
疲れたり辛かったりした時に無理をすると、そのしわ寄せが子どもに行きますし、自分の気持ちが子どもに伝染すると思います。ですから、私自身が無理を極力しないことを決めています。
 
それから、在宅勤務だと働いている姿を子どもに直に見せられるのもいいところだと思っています。子どもが自分で動いてくれるようになるんです。「ここが汚れているから拭いてくれる?」と長男によく言っていたら、そのうち片付けや掃除を自分からやるようになりました。手取り足取り全部やってあげるのではなく、子どもも家族の一員として一緒にやるというふうにしたら、きっとご自身が楽になると思います。
 

編集後記

 

3人のお子さんの育児と仕事を自然体で両立させている西村さん。仕事をしている姿を見せることで、子どもが主体的に動くようになったというお話、とても興味深く聞きました。
復帰早々のお子さんの入院という大変な経験も話してくださいました。その苦しい時期を周囲の理解と支えによって乗り越えたと聞いて、セントワークス株式会社様は本当に働きやすい環境が整っているんだなと感じました。それは、単に制度が整っているだけでなく、制度を運用する方々がきちんと制度に血を通わせているからではないでしょうか。「あの時辞めなくて本当によかった」という西村さんの言葉には、実感がこもっていました。

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ABOUT US
ライター・Y田
フリーライター兼フォトグラファー。仕事と子育てを両立したいママをサポートするNPO法人との縁で、働き方をテーマとする記事を執筆するように。取材を通していろいろな人や企業に出会うことが楽しみ。プライベートでは、中学生の女子の母。