4人目誕生後に、「在宅で働く」ことを目指し始めたママ。実現に至るまでの道と、在宅ワークの現実、そしてこれからを語ってもらいました。

「IT・クラウドサービスを活用した業務代行」を手掛ける、株式会社ジェントルワークス。串田社長は、「働く」を軸としたコミュニティーを形成し、子育てや介護を担う女性の「社会の断絶」を解消したいという想いから、在宅ワーカーを育成する事業をされています。今回は、この事業でおこなわれたセミナーに参加し、新たなキャリアをスタートさせた女性にインタビュー。佐賀県鳥栖市を拠点に在宅ワークを行うグループ「なでしこまむ鳥栖」のメンバーである松岡さんに、お話をお聞きしました。
 

松岡さんのこれまでのキャリア

➖松岡さんのこれまでのキャリアを教えてください。
小学生二人と幼稚園児、さらに1歳の、計4人の子どもを育てています。
結婚してから、ずっと専業主婦として家事育児に没頭してきました。充実していましたが、4人目の子どもが生後3か月のとき、たまたま鳥栖市で行われた「在宅ワーク活用セミナー」のチラシを目にしたんですね。それが、働き始めるきっかけになりました。
 

「なでしこまむ鳥栖」を立ち上げるまで

➖セミナー受講が「なでしこまむ鳥栖」を立ち上げることことにつながったのでしょうか。
子育てに忙しく、いつか働きたいなと思ってはいたものの行動に移せずにいたのですが、「在宅で働く」という言葉に心惹かれて、セミナーに申し込みをしました。
新しいことを学ぶのは、いくつになっても面白いものです。在宅ワークとはどんなものかも全く分かっていませんでしたが、初めてクラウドのサービスやさまざまなツールなどに触れ、「こんなことができるんだ!」と驚きの連続でした。その後のステップアップ講座にも参加し、自分たちらしい生き方、働き方を実現したいとの思いから「なでしこまむ鳥栖」というコミュニティーを立ち上げて今に至ります。講座の中で、クラウドサービスを使って仕事を受注し、各自で実績を作っていくという内容もあったので、簡単な道のりではありませんでしたが、講座終了後には在宅ワークをおこなうグループとして、クライアントのお仕事を受けることができました。
 

在宅で働くということ

➖ここに至るまでに、大きな「壁」にぶち当たったことは?
スキルを習得し、ツールの使い方を学んだうえで、小さな案件を重ねて実績を作っていこう、というステップアップの段階に入った時でした。
私たちは、家族の都合など予測できない事態に備えて、数人でチームを組んで取り組んでいます。小さな案件だったので「余裕でいけるだろう」とタカをくくっていたんです。ところがこれが、まったく思うように行かなくて苦労しました。さらにその後もらった案件ではクライアント役の講師から強烈なダメ出しを食らいました。正直言って「初めてだし、一発OKなんてことはないだろう」と、自信もなかったのですが、それでもダメ出しはショックで、恐れ多くなってしまい、「私にはとてもつとまらないかも」とまで思いました。
でも、いただいた指摘を冷静になって読み返してみると、実に的確な内容です。なので必死になって修正をすると、また次のダメ出しが来る(笑)。この繰り返しでしたが、「やるからにはきちんとした成果物にしないと」との一心で、食らいついていきました。このやりとりで、仕事をするうえでの基礎を鍛えられた気がします。
 
➖在宅ワークを始めてみていかがでしたか?
4人の子どもたちがいるので、家の中で働く、ということは、最初は想像以上に大変でした。てんてこまいになった時には夫の協力が不可欠でしたね。そっと皿洗いをしたり、いつの間にか子どもたちをお風呂に入れてくれたりしていました。一年たって少しリズムがつかめてきたこの頃は、楽しそうに働いている私を見守ってくれている感じです。仲間たちとの反省会の中でも、「忙しい時に子どもをほったらかしにしてしまった問題」とか、「夫の理解度」については、よく話題に上がりました。
 
➖在宅ワークでのコミュニケーションは、どのようにされていますか?
〇〇ちゃんのお母さん、〇さんの奥さん、ではなく、松岡さん、と私自身を呼んでくれる仲間との出会いが大きかったですね。
講座で出会い、苦楽を共にした仲間たちとは、「なでしこまむ鳥栖」を結成したことで定期的に連絡を取り合っています。同期のようなものなので、仕事のあとの反省会はもちろん、自分たちで勉強会を開いたり、お互いの近況報告をしながら情報交換をしたり、良いつながりが持てています。
それからお客様とも、こちらは在宅とはいえ業務を代行している以上はメンバー意識をしっかり持って接するようにしなければと考えています。

家族を大切にしながら、私たちらしく働く

➖これから、どんな風になっていきたいですか?
仕事を始めて1年が経過しましたが、私自身はまだまだひよっこです。できそう、と思ったらどんどん首を突っ込んで、できる仕事を増やしていきたいと思っています。私たちらしく、家族も大事にしながら働くことで、「ママ」とも「奥さん」とも違う、私自身の人生を豊かに出来たらうれしいです。
 

CHECK

株式会社ジェントルワークス https://www.gentleworks.jp/

編集後記

4人のお子さんを育てながら在宅ワークをこなし、「もっとできることを増やしたい」と意欲的な発言が印象的でした。バックオフィス業務だけでなく、ウェブの制作などにも手を広げられているとのこと。ママや奥さんとして頑張ってこられたバイタリティーに、「松岡さん」個人としてのキャリアが加わって、ますますご活躍の幅が広がりそうですね!

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