10年前からテレワーク導入!働きやすい環境づくりで常に逆境を乗り越えてきた働くママに優しい熊本企業

ユニークで実用的な快眠グッズが頻繁にメディアに取り上げられているムーンムーン株式会社。同社は、幼少期から睡眠に悩まされてきた竹田代表のあくなき探求によって始動。常に情熱をもって新しい挑戦に挑み続けるという理念の基、働き方についても社員の意見を参考に変革し続けています。
テレワークについても、創業の2011年7月13日(約10年前)からいち早く取り入れられ、総務省が主催する「テレワーク先駆者百選」にも選出された経歴をお持ちです。今回は、代表取締役の竹田浩一さんと商品開発部の久保田京子さんに働き方についてのお話をお伺いしました。

テレワークを創業当初から採用した理由について

お話を伺った人:代表取締役 竹田浩一さん
➖テレワーク を創業からから取り入れた理由を教えてください。
私たちは睡眠グッズを製造販売する会社です。そのため、自分たちが睡眠も十分にとって心身ともに健康でないと説得力がなく、お客様にいい商品を提供できません。
当初から小さな子どものいる社員が在籍していましたが、子どもは突然体調を崩すことが頻繁にありますし、親にとって通勤にかかる負担は非常に大きいです。
テレワークはそういった心労を減らすにも大変効率的な働き方であると思い、創業時から積極的に取り入れていこうと社内で話していました。
ありがたいことに、創業当初からオンラインでの会議やチャットでのやり取りも問題なく行われています。

会社の困難を救い、再建へ導いたのもテレワーク

在宅勤務をさらに加速させたのが、2016年の熊本地震でした。
社屋は倒壊寸前で危険な状態で、新しい事務所を探そうにも熊本全体が混乱しており、地震から約2か月程度は業態などを分割した上で社員全員が在宅勤務になりました。

テレワーク以外の働き方についての取り組みなど

➖テレワーク 以外で御社が取り組まれていることはありますか?
2017年から施行されたプレミアムフライデーを積極的に行っています。

ー最初は騒がれたものの、現在では積極的に取り入れている企業は少ないですよね。
そうですね。経済産業省のキャンペーンでありながら、浸透していないらしく職員の人に何でやってるのか逆に聞かれました。(笑)

社員と作り上げていく働き方

➖在宅勤務ながらも、とても働きやすい環境ですね。
でも、自分が中心となって働き方改革をしていこう!という考え方ではないんです。
仕事をしていく中で発生した課題やそれぞれに出てきた声、不具合に対する改善案を1つずつ消化していく感じです。
例えば、今であればコロナ禍だから感染予防もかねてテレワークを強化し、出社人数を抑制する、ということですね。
試行錯誤していった結果、働きやすい環境になっていったという感じですね。

ムーンムーン株式会社が求める人物像

➖御社ではどういう人材を求めていますか?
久保田のような、働く主婦の方です。具体的には、結婚や出産を機に家庭に入りブランクはあるけれども、経験やスキルを持っていて第一線で活躍されていたような人ですね。
弊社でも現在は、そういった方が中心になっています。
また、昨年よりコロナ禍で遠隔で仕事をする技術が発達してきたことに伴い、関東圏の社員を採用しました。弊社は本社が熊本だということもあり、ZOOMでの面接を介したので本人には一度も会ったことがありません。
でも、経験やスキルがあれば遠隔であっても問題はないと思います。
将来的には、国境を越えて海外で活躍されているエンジニアの方なども採用できるような環境づくりを考えています。

久保田さんのこれまでのキャリア

お話を伺った人:商品開発部の久保田京子さん
➖今までのキャリアを教えてください。
私は元々は大阪出身でして、新卒で大阪の機械工具の専門商社に入社しました。
日本製の工具を海外に輸出している商社だったんですが、私はヨーロッパが主担当の営業総合職に配属されたということもあり、入社1年目から1人で3週間ドイツ・オランダ・ポーランド・デンマークといった国に出張に行きまして、その後も毎年2、3回は海外出張するような生活を送っていました。
主に代理店様やユーザーである工場等の現場へ出向いたり、展示会にお客様を連れての訪問をしました。
他には、日本のメーカー様を海外で出展したりするお手伝い等をしていました。
そこから10年間グローバルな仕事を担当し、刺激的な毎日を送っていく充実感はありましたが、結婚を機に熊本へ引っ越しました。
出産を考えていたので、すぐに仕事復帰することは考えていませんでしたが、じっとしていられない性格(笑)でして。ファイナンシャルプランナーやTOEIC、小学校の英語教師等の資格を取得したり、あとは契約社員でメーカーさんの翻訳業務等の仕事をしていました。
出産後、しばらくは専業主婦に専念していました。

ムーンムーンとの出会いまで

➖ムーンムーン株式会社はどうやって知ったのでしょうか?
専業主婦時代は子どもを通してママ友もたくさんできました。
今も家族ぐるみで仲良くしているママ友までできて、楽しい毎日を送っていたんですが私は何もしていないのが落ち着かないところがありまして(笑)。
次男が幼稚園に入った頃に、仕事復帰を決意しました。
以前の自分の経験を生かせる貿易関係の仕事を中心に仕事探しをしていたのですが、熊本では数が少なかったのですが、当時ムーンムーンが貿易関連の職種で募集をしていました。
10年ほどのブランクはあったのですが、縁あって働くことに。今は商品開発を担当しています。

独身時代にやりたかった仕事の実現へ

ー過去のお仕事と少し違う業務を経験されることに関してはどうでしょうか。
前の仕事では貿易関連事務・実務と代理店さんに営業をかけたり、展示会運営についての企画をたてることなどをしていました。
商品企画の経験はありません。企画部に配属されていたこともあるので、企画に関する経験はありましたが、商社は間に立つ仲介の立場なので、メーカーさんと接する機会が多かったです。
メーカーの工場を何度も見学して設備や製作について学び、私自身も工場でねじを締めたりしたこともありました。そういった経験を通して、自社の強みを持って商品を海外に売り込んでいくメーカーの仕事に憧れがありました。今の仕事は自分で商品を企画して開発することができるので、刺激的な毎日を送らせてもらっています。

入社3年で、メディアでも話題の「睡眠リズム照明」の開発へ!

ーご入社歴はどのくらいになりますか?、また、どのような商品の企画に携わってこられましたか。
今年の9月で入社して3年になります。
もちろん新商品の企画・発案は竹田になりますが、私が担当した商品で今一番新しい商品は、「睡眠リズム照明」になります。
自然な寝入りで睡眠のリズムを整えるサポートをする商品です。
竹田と一緒に開発の方を進めていきました。

専業主婦時代の気持ち

ーブランクがあった10年間の時に考えてらっしゃったことがあればお聞かせください。
ブランクの間は仕事復帰への焦りをずっと抱えていました。
専業主婦は子どもと1日中向き合っていかなければならなくて、働いているママより大変なんじゃないかなと思うときはありましたね。
子育ては中々思った通りにならないことばかりなので、ずっと子どものためだけに生活していくことは非常に厳しかったです。
同時に、育児の楽しさや大変さの一方で子どものことばかり考えているうちに、自分の軸にしていたものがなくなっているなと感じました。
出産前は自分と社会との繋がりによって自分を評価してもらえたのに、自分の評価が子どもを通しての評価で見られているような気がしました。
言ってみれば、子どもの出来不出来が親である私の通信簿のような感じです。
どうしても、そういった風にみられていると思ってしまうことが、辛いことでもありました。
熊本だったので、商社時代と同様の仕事復帰は無理だろうなと思っていましたが、何か仕事はしようと考えており仕事探しをしていました。
とはいえ、私は大阪出身で頼れる親も近くにおらず、次男が幼稚園に行き、多少落ち着くまでは復帰するタイミングを掴めずにいました。
次男が幼稚園に入っても仕事と家庭の両立の大変さを考えると、それなりの覚悟がありましたね。
でも、今では復帰するという決断をしたことで「自分を取り戻す」というか、家庭とは別の居場所を見つけられてイキイキと働くことができるようになったのは本当に良かったと思っています。

家庭と仕事の両立について

ーお子様がいながらのお仕事は大変だと思いますが、何か工夫されていることなどお聞かせください。
やっぱり、何をおいても仕事が終わってからの夕食作りが大変ですね。
でも、数週間ほど前に某社の献立の宅配サービスをみつけまして。利用し始めたんですが、すごく便利です。やっぱり、家だと好きな物しか作らなくなってしまうところがどうしてもありますよね。
でも、栄養面において子どもに野菜を食べさせなきゃという思いはあるし、自分で毎日の献立を考えるのも中々時間に余裕がなく困っていました。
そのサービスだと、決まった献立でレシピを見ながら30~40分で作れるので重宝しています。

在宅勤務の裾野の広がりで周囲への理解も

お子さんとお仕事をする久保田さん 写真参照元:熊本はどうデスク(https://kumamotodo.jp/spot/12/)

ー在宅勤務中にお子様がいて大変だったようなエピソードはありますか。
在宅勤務がコロナで増えたのでメーカーさんとオンラインの打ち合わせなど増えているのですが、打合せ中に子どもが外から入ってきて、割り込んで「~食べたい、~飲みたい」など話しかけてくるときは慌てますね(笑)。

ー私も慌ててミュートにしたりすることもあります(笑)。
そうですよね(笑)。
でも、他業種もそうだと思いますが、メーカーさん側もコロナ禍になったのを契機に以前よりオンライン会議が非常に増えてきているので、こういったことにも多少目を瞑ってくれて理解して頂いています。

オン・オフの切り替え方法について

ー在宅勤務だと中々オン・オフの切り替えができず、仕事のことを考えがちな方もいらっしゃいますが、その辺はいかがでしょうか。
勤務が終わったら勤怠を付けますので、それは区切りではありますが机にPCを置いたまま電源を消すわけでもなく、夕食の準備を始めるのでどうしても、何かしら考えてしまうことはあります。
でも、睡眠の質を高めることをコンセプトにした会社ですので、残業はほとんどなく、夜中まで残業したりはありません。

ーでは、社員の方は比較的寝る時間は早めになりますか。
はい、私は夜21時に寝て、朝4時半に起きます。

ー4時半!すごいですね。
やりたいこととか勉強とか、そのほか自分の趣味の時間は朝の数時間が勝負ですね。

ーお子さんがもう少し成長されたら、もう少しのんびりと時間をずらせそうですね。
そうですが、今1日の時間のリズムが自分の中にできていて、これが合っているので変わらないかなと思いますね。
土日でも4時半に目が覚めるんですよ。

ーさすが、睡眠を研究されている会社という感じがしますね。
やっぱり、早寝早起きをしたほうが、生活・仕事においてパフォーマンスが向上するんですよね。
今後も続けていきたいな、と思っています。

生活を向上させるグッズと仕事中の癒しグッズ

久保田さんが開発された商品 右:トトノエライト 左:EasyAroma

ーご愛用の癒しグッズをご紹介いただけますか。
まずは今女優ライトで使っているこちらです。(笑)
手前味噌ですが、私が開発担当した2つの商品を個人的にも愛用しています。
睡眠リズム照明トトノエライトで午前中に朝日と同等の光浴びることで、脳内からセロトニンと呼ばれる目覚めを促す脳内物質が分泌されるんです。
このおかげで集中して仕事に取り組むことができます。
テレワーク中でも光を浴びながら仕事ができますが、太陽光のように紫外線がないので肌へのダメージも気にしなくていいのがありがたいです。
この商品は私だけでなく朝の弱い次男にも使っていまして、午前中に光を浴びることで体内時計を整える生活向上のためのグッズです。
もう一つはアロマディフューザーEasyAromaを利用しています。

はたママ読者へのメッセージ

➖最後に、はたママ読者へメッセージをお願いします。
結婚後は女性の方が家事育児の比重が大きくなりがちです。
私のように遠方で自分の親に頼らずに育児をされている方は、支えがない不安な状態で日々過ごす大変さもあるはずです。
育児に真正面から取り組むことで、子どもの評価=自分の評価という考えに捉われてしまうことも。
でも、仕事への復帰が「自分は自分、子どもは子どもなんだ」と気づかせてくれ、本来の自分を取り戻せたと実感しています。
ブランクがある方は不安があると思いますが、ぜひ思い切って1歩踏み出してみてください。

ムーンムーン株式会社Information
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編集後記

お二人とも朝方で規則正しい生活を送られていることもあってかとても前向きで実行力があり、さすがユニークな商品をいくつも開発されてらっしゃるなと思いました。
 
商社で世界をまたにかけてご活躍されたキャリアウーマンの久保田さんですが、退職後も向上心を持って様々な資格を取得され、とても勤勉で努力家な方だという印象を受けました。
 
その真面目なご性格でご出産後もお子様のことを第一に考えていたからこそ、復帰への葛藤やブランクがあったのではないでしょうか。
 
近年はリモート環境も整っているので、家にいながらワールドワイドにご活躍されることでしょう!

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