地域が自立し持続可能になるための活動を通し、地域とともに未来を創り上げることをビジョンに掲げる株式会社トラストバンク。
今回は、不妊治療・転職半年で妊娠、そして産休1か月前に人事部長に昇進!という、同社の人財戦略部 部長である須貝 ゆずはさんにお話を伺いました。須貝さんは自らの経験を活かし、“誰もが選択肢を持てる会社”を目指しています。
須貝さんがトラストバンクで働き始めた理由
職業 会社員
お子さんの年齢 1歳6か月
居住地 東京
勤務形態 正社員
➖入社されたきっかけを教えてください。
前職で目標と設定していた項目を勤続10年目に達成をして、更なる挑戦をすべく転職に踏み切りました。キャリアの軸として2つあります。
1つは「地域のまだ見えてない価値の創出」です。私は愛知県西尾市出身で、祖父や父は地域に根付いた会社を経営しています。私が東京に出てきて一番に感じたのは、都市部とは人・情報・物などの格差があり、地域にはたくさんのいいものがあるのに、それを周知するナレッジなどがないということです。そしてこの状態を解決できるようなことにいつか携わりたいと感じていました。
2つ目に「人に関わる仕事」があり、ロジックでは解決できない複雑性が高い部分も、人の力によって組織ごと変えることができるということを、これまでの経験として見てきたことから、人の力を最大限広げる仕事に携わりたいと思っていました。そして、その2の軸を叶えることに一番近いと感じたのがトラストバンクであったため、入社することを決断しました。
➖担当されている業務内容を教えてください。
人事領域全般と採用や育成、制度設計など人事領域全般を担当しています。
須貝さんのキャリアと子育てについて
➖女性が生きづらい世の中だと感じた背景を教えていただけますか?
30代前半に結婚をしましたが、夫とはなんとなく子どもが欲しいねと話をしていました。しかし、キャリアを積み、ちょうど仕事も面白くなってきたタイミングでもあり、当時は出産して、育児をしながら仕事をする自信がなく、自分の決めた目標を叶えるまでは子どもは考えないと決めていました。当時を思い返すと夫とその話をなるべく避けていたようにも感じます。
周りは若いうちに子育てしている人もいれば、仕事に集中している人や、妊娠してキャリアを諦めていく人、結婚せずに仕事に注力する人…様々な方がいる中で、自分はどうするべきか悩んでいて、気づいた時には子どもが産めないこともあるかも、と覚悟をしていました。
そういう意味では、30代前半から出産する後半まで、なんとなく紋々としている日々を過ごしていました。
➖妊娠を望みながら就活するというのは勇気がいると思います。転職へ踏み出せたのはどういうきっかけがあったのでしょうか。
前職に勤めて10年目で自分としての目標を達成し、今後の人生をどうしようと悩んでいました。妊娠するのであれば働き慣れた環境の前職がいいかなと思いつつ、新しい世界に飛び出したいという気持ちもあり、そんな非常に複雑な気持ちを友人に相談したところ「子どもはいつできるかわからないから、今はやりたいことをやった方がいい。妊娠したらまたそこでどうするか考えればいいよ」と背中を押され、転職しようと決意しました。
須貝さんの勤務状況について
➖現在の働き方のメリットと課題について教えてください。
私は元々朝方であることから、早朝に起きて家族も会社も寝ている2時間はなるべく思考する時間を設けています。当初は自分の時間を取れずにいましたが、夫に朝と夜と交代で子どもの面倒を変わってもらうことで、朝は思う存分仕事に集中し、18~19時には仕事を終えるようにしています。
周囲にもその就業スタイルを理解いただき、遅い時間に面接が入る時は事前に声を掛けてくれるなど、すごくありがたい環境です。
課題としては、これから色々な意味(習い事や受験など)で子どもに費やす時間が増えていきそうなことです。より仕事の両立の難易度が高くなっていくことからシッター制度などうまく活用して乗り越えていきたいです。
須貝さんの今後の目標について
➖今後のご自身のキャリアをどのように考えていらっしゃいますか。また、最高人事責任者としてトラストバンクをどのような企業にしたいと考えていますか。
正直これから自分がどんな人生を歩んでいくのか未知数ではあります。というのも、トラストバンク入社時は最高人事責任者という肩書ではなく、事業企画部に在籍をしていました。転職半年で妊娠し、嬉しい反面、キャリアが止まることに不安を感じていた私に、会社は寄り添ってサポートをしてくれて、産休に入る1か月前に新設部署の責任者としての現在の役職を与えてくれました。その時に「キャリアを止めない」という選択肢もあるのだと身をもって経験し、今は育休産休に関わらず、社員ひとりひとりが選択肢を持って働ける組織にするために奮闘しています。
具体的には、トラストバンクは人財開発のテーマとして、「自立型人財」になることを社員に求めています。その土台作りに私含め自部署メンバーは日々活動しています。
「自立型人財」というのはつまり、自分に選択肢があることだと思っています。自分で選択できることとは、とても自由にも思えますが、選択するためにはそれだけの力も備わっていなければなりません。自由である反面、意思を明確化する必要もあり、責任も伴います。選択するためには、それだけの知識を持っていなければならないため、非常に高度な環境とも言えます。
ただ、一度この「選択する力」を身に着ければ、この先の人生でずっと使っていける一生のスキルとなり、自らの人生もデザインしていくことができます。トラストバンクという職場のみならず、生涯において活きるスキルを養っていけるよう人財戦略を立てており、それが「自立型人財」として目指すところなのではないかと感じています。
また、自部署では、トラストバンクの「自立した持続可能な地域をつくる」というビジョンを実現するために、スタッフのスキルや能力をより高め、仕事のパフォーマンス向上を図ることが求められており、ミッション・ビジョンに沿った、強い組織の醸成と、人材育成のための人事制度構築をセットで実施して「地域創生のリーディングカンパニー」として、“地域創生ノウハウをもった専門人財”が強みとなる人財輩出もしていきたいと考えています。
株式会社トラストバンクの事業内容、制度について
➖御社の事業内容を教えてください。
ふるさと納税のポータルサイト「ふるさとチョイス」の企画・運営を主軸に、自治体職員の業務効率化を支援するための行政DX事業のほか、地域経済循環を促す地域通貨事業や、再生可能エネルギーの地産地消を進めるエネルギー事業を展開しています。
➖働きやすい環境への取り組み、それに対する社内での反応、また、現在感じている課題がありましたら教えてください。
ビジョンの実現に向けて(「自立した持続可能な地域をつくる」)、「自ら働き方をデザインし、パフォーマンスを向上できる集団に」というテーマを元に、パラレルワークや産休・育休(特に男性の育休取得率も高いです)・リモートワークでの環境、育自分制度、ワーケーション制度など、時代に応じた働き方に適応できるようになっています。
最近では採用の場面でも、このような取り組みを知ってトラストバンクを選択してくださる方が増えてきました。これからも、トラストバンクという社名をサービス以外の面でもブランディングして社内外に発信できるといいなと思っています。
➖須貝さん、ありがとうございました。
▼この記事はこんな方にオススメ
・子育てとキャリアの両立を迷うママ
・管理職にチャレンジしたいママ