パパの長期育休で家族みんなが幸せに 特別な育児制度がなくても当たり前に育休が取れる環境の大切さ

 世界20の国と地域に自社拠点があり(2022年6月現在)、クライアントのビジネス変革を担うグローバル企業のモンスターラボホールディングスの子会社である株式会社モンスターラボ

今回お話を聞いた、デザイナーの手塚貴昭さんは、2人目のお子さんの出産をきっかけに半年間の育休を取得した社員の一人です。モンスターラボでは男性社員の育休取得も多く、 男女問わずしっかりと育休を取得する姿勢は社内で好意的に捉えられているといいます。

男性社員の育休取得期間は数日から一ヶ月程度の企業が多い中、モンスターラボでは手塚さんのように半年ほどの育休を取得する社員も少なくありません。

そこにはモンスターラボの社員たちが作り上げてきた、仕事と育児を両立しやすい環境がありました。

デジタルコンサルティングを推し進めるモンスターラボ

ー御社の事業内容を教えてください

「多様性を生かし、 テクノロジーを変える」という理念を掲げ 、お客様のデジタル領域の課題に対する様々な支援を行なっています。

ビジネス・デザイン・テクノロジー領域のプロフェッショナルとしてお客様とワンチームを組成し、グローバルなナレッジを活かしながら、戦略的ITパートナーとして DX推進をサポートしています。

ー子育て世代の社員が働きやすい環境への取り組みや、それに伴う社内の反応は何かありますか

弊社は、社員の平均年齢が30代半ばと子育て世代が多くいます。ですが、独自の育児制度や特別給付はありません。あるとすれば、時短勤務が国の定める期間より少し長い小学校就学前までという点でしょうか。しかし、育児をする社員たちの声を聞くと働く環境への満足度はとても高いです。その背景には、育休を取得する人たちが抵抗感なく取得でき、周りのサポートをする人たちもそれを当たり前だと受け入れる雰囲気があるからだと思います。

海外では日本より男性の育休取得率が高いという現状があります。弊社は社内の25%ほどが外国籍の社員なので、そういったことも背景にあるのかもしれません。

育休後もフレックスタイム制(※1)や裁量労働制(※2)で仕事ができるので、子どもの急な体調不良やトラブルの時は各自で業務を調整していますし、そういったケースがあることも周りは理解しているので仕事と育児の両立できる環境が整っています

モンスターラボの男性育休取得率

2020年 67%

2021年 100%

2022年 80%(2022.9.14現在)

※1:一定期間についてあらかじめ決められた総労働時間の範囲内で治療や就業の時間を労働者が自由に決められる働き方

※2:労働時間が労働者の裁量に委ねられている働き方

手塚さんのキャリアや働き方について

手塚さんの仕事環境。お子さんの笑顔が眩しい!!
手塚貴昭さんのプロフィール

職業:デザイナー
勤務年数:6年目
お子さんの年齢:6歳・1歳
居住地:東京都

ーモンスターラボに転職するきっかけを教えてください。

結婚し子どもが生まれるタイミングで働き方を見直そうと思い、転職活動を始めました。転職エージェントに登録し10社ほど受けたのですが、スムーズに内定が出たのがモンスターラボでした。

デザイナーとしての自分のスキルが発揮できる環境があり、業界的にもこれから成長していく会社だと思ったのがモンスターラボに決めた理由ですね。

また、前職の取引先だったので知人がいたことや、自宅から会社が近かったことも大きかったです。

ー主にどんなデザインを担当していますか

現在はアプリケーションやサービスの受託開発に伴うデザイン周り全般を行っています。

前職はデザイン会社にいたのですが、アプリやサービスのデザインは開発するエンジニアの人がいないと難しいのです。その点、モンスターラボではデザイナーだけでなく、エンジニアやコンサルタントなど様々なプロがチームになって仕事を行っている点も魅力でした。

ー手塚さんの現在の働き方を教えてください

今はリモートで仕事をすることがほとんどです。会社が近いこともあり、週一程度で出社しますがリモートワークをしている社員がほとんどなのでプロジェクトメンバーが誰も出社していないということもありますね(笑)。

コロナがきっかけでリモートが広がった面もありますが、以前から海外のエンジニアとオンラインで仕事をすることが多く、コロナ前から浸透していた印象です。

ーリモートワークのメリットと課題はありますか

リモートワークに切り替えた直後は思うように仕事ができないストレスがありましたが、今は通勤している時より心身ともに健康的な働き方ができていると思います。

とはいえ、子どもが帰ってくる18時以降は仕事に集中できず、話しかけてくる子どもの対応が適当になってしまうという課題がありました。

なので、最近では18時以降に仕事をしないようにしています。そのかわり、朝5時ごろから子どもたちが起きるまでの2時間程度を仕事時間にしました朝は眠くて捗らないかと思いましたが、残業していた時より集中して仕事に取り掛かれます。また、早朝の散歩や読書が習慣化しました。

育休を褒められることは不思議だなと思う

ー育休は二人目のお子さんの時に取得されたのですね

上の子の時は転職して間もない時期だったので育休は取得せず、二人目の時に育休を取得しました。

外国籍の社員が多くいる弊社では男性社員でも育休を取る人は周りにいましたし、半年ほど取得する人もいると聞いていたので、妻の希望もあり私も半年間の育休を取りました。

長期の育休を取ることで圧力を感じる、復帰後に嫌なことがある、ということはなかったです。

ー育休を取得していかがでしたか

育休中の半年間はあっという間でしたが、育児や妻の体の回復に向き合えたので本当に良かったです。仕事をしていたら自分のやることに追われ、もっとピリピリしていたと思います。

体力的にも気持ち的にも余裕があったことで、夫婦でお互いを思いやれることができ、家の中の雰囲気が穏やかになりました。コロナの影響で上の子の保育園が閉鎖になってしまった時期がありましたが、子どもの自転車練習をするなど貴重な時間を過ごせました。

あと、長期育休を取っていることを社外の人に話すと、「偉いね」と言われることがよくありました。会社からお休みをいただきながら、父親として育児をしているだけなのに不思議だなと思いましたね。

ー上のお子さんの時は育休がなかったということですが、どのように仕事と育児を両立していましたか

共働きなので夕方の打ち合わせのスケジュール等を二人で調整し合い、保育園のお迎えと夕飯といった家事をする方と、夜まで仕事をしていい方に分担しながら両立していました。子どもがいると朝も早くに起こされますし、かなり大変でしたね…。

なので、下の子の育休中は体力的にも精神的にもこんなに違うのかと感じました。

出産後のトラブルや上の子の対応がしっかりできた

ー下のお子さんを出産後、奥さまが入院していた時期があったということで、大変でしたね…

母子ともに無事に出産を終え退院したのですが、妻の熱が下がらない状態が続いていました。近所の病院で診てもらっても原因がわからず、大きい病院で精密検査を受けたところ、子宮が炎症を起こしていたようで…。。結局、妻だけ2週間ほど入院することになりました。

その間、上の子の保育園の送迎や下の子の世話を一人で行っていたので、仕事をしていたら対応できなかったですね。

また、下の子が生まれたことで上の子が嫉妬気味になり、普段しないような反抗をするようになりました。そこで上の子としっかり遊び、話に耳を傾けるようにしていました。これも育休で時間があったからこそだと思います。

ー育休明けはスムーズに復帰できましたか

もともと育休前から、オンラインの1on1を10人前後いるデザインチーム内で行っていました。育休中も1on1だけは参加していたので、そこで雑談をしながら社内の状況を聞いていました。

仕事のことをすっかり忘れて復帰できないのでは、と少し心配でしたが、育休明けも空白がある感じはなくスムーズに業務に取り掛かれました。

家族というコミュニティができて考え方に変化が

子どもたちの登園に付き添う手塚さん

ーお二人のお子さんの子育てを通して、夫婦間でどのような変化がありましたか?

上の子の出産の時に家事育児は半々でやろうと話し合ってきましたが、想像以上に大変で家庭内が一大事だった気がします。

下の子の時は半年間の育休があったおかげで、気持ちに余裕が持てるようになりました。そうすると育児がとても楽しいものになりました。

子育ては夫婦で協力しないとうまくいきません。その時に、お互いにやってもらえることを当たり前と思わないで言語化して伝えるように心がけるようになってからは、夫婦の関係がいい方向へ変化していきました。

ー今後の展望を教えてください

デザイナーとしては、得意な分野を伸ばしながら新たなチャレンジもしていきたいと思っています。ですが、最近は仕事が第一じゃないと感じているんです。

以前は、仕事しかしなかったし仕事が楽しいと思っていました。ですが、子どもができてからは仕事というコミュニティの前に、家族というコミュニティに参加しているのだと感じるようになりました。モンスターラボでは、子育てをしている自分を当たり前に受け入れてくれる環境があるのでとても感謝しています

仕事とプライベートのメリハリをつけ、家族みんなが幸せになるために突き進んでいきたいですね。

編集後記

最近は、男性社員も育休を取れる環境が整ってきたものの、母親である女性と比べ長期的な育休は取りづらいという男性社員も日本では少なくありません。

ママたちにとっては、パパの育休がしっかりあれば心強いと思っている人も多いと思います。

「仕事の穴を開けてしまう」、「誰かに迷惑がかかるのではないか」といった心配がなく、育休をしっかりと取ることができるモンスターラボさんが長い時間をかけて作り上げてきた環境は本当に羨ましいです。ワンオペ育児は、育児を楽しめなくなってしまうだけでなく産後うつのリスクにもなり得ます。夫婦で育児を協力し合えるよう、パパの育休取得を積極的に行う会社が増えていって欲しいなと感じました。

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