※本記事の画像はすべてAIで生成したものを使用しております
子ども向けオンラインクリエイティブスクール「アタムアカデミー」を運営する株式会社アタムは、イラストやデザイン制作を通じて、子どもたちの「好き」を社会とつなぐ教育事業を展開しています。
iPadなどのデジタルデバイスを活用し、絵を描く技術を学ぶだけでなく、制作した作品を販売したり、対価を得たりする経験までをカリキュラムに組み込むことで、社会の仕組みやマネーリテラシーを実体験として学べる点が大きな特徴です。
同社が大切にしているのは、「技術」と「社会性」の両立。単に表現力を伸ばすのではなく、「自分の作品が誰かの価値になる」という感覚を、幼少期から自然に育んでいくことを目指しています。その教育方針の背景には、アートの力で子どもたちの可能性を最大化し、自ら考え、行動し、価値を生み出せる“自律型人材”を育てたいという明確なビジョンがあります。
こうした教育を支えているのが、完全オンラインで全国・海外とつながる指導体制と、社員一人ひとりがプロとして自律と責任を重んじる組織文化です。本記事では、アタムがフルリモートという環境下でどのように「健やかさ」と「つながり」を保ち、自律した働き方を実現しているのか、その具体的な取り組みと考え方を紐解いていきます。
フルリモート環境における健康と繋がりのデザイン
業務時間内に「1日30分の体操時間」を導入された背景には、どのような課題意識があったのでしょうか?
フルリモート環境では、通勤がなくなる分、気づかないうちに一日中デスクに向かい続けてしまうことが多くなります。特にアタムでは、オンラインでの指導や制作業務が中心となるため、身体を動かす機会が極端に減りがちでした。
個人の裁量に任せた休憩では、どうしても業務を優先してしまい、結果としてリフレッシュできないまま働き続けてしまう。そこで、「休むことも仕事の一部」と明確に位置づけ、業務時間内に全員が参加する体操の時間を公式に組み込むことにしました。
毎日決まった時間にオンラインで集まり、ヨガや軽いストレッチなどを行います。内容は難しいものではなく、肩や腰をほぐすようなものが中心です。意図していたのは、運動そのもの以上に、強制的に仕事から一度離れ、頭と体を切り替える時間を作ることでした。
この取り組みによって、社員の健康面や画面越しでのつながりにはどのような変化を感じていますか?
数値で効果を測っているわけではありませんが、体操を取り入れてから、業務のメリハリは確実に生まれたと感じています。30分しっかり体を動かすことで、頭がリフレッシュされ、その後の作業への集中力が戻る。漫然と働く時間が減り、結果的に生産性にもつながっている印象です。
また、この時間は業務ミーティングとは違い、自然な会話が生まれる場にもなっています。「この動き、きついですね」「今日は少し楽ですね」といった何気ないやり取りが、画面越しでも心理的な距離を縮めてくれます。
フルリモートでは、効率を重視するあまり雑談が減りがちですが、こうした“余白”があることで、日常の業務相談もしやすくなりました。健康と同時に、つながりを保つための時間としても機能していると感じています。
アタムアカデミーの特性と現場の働き方
フルリモートだからこそ実現できている、講師や社員の働き方の具体例はありますか?
アタムでは、講師を含めて全員がフルリモートで働いています。そのため、居住地に縛られずにキャリアを継続できるのが大きな特徴です。
実際に、都心から地元へUターンし、自然に囲まれた環境で生活しながら講師として働いているメンバーもいます。一般的には、専門性の高い仕事ほど都市部に集中しがちですが、オンラインで完結する仕組みがあることで、「住む場所」と「やりたい仕事」を切り離すことができます。
配偶者の転勤や親の介護、出産・育児といったライフイベントがあっても、「仕事を辞める」という選択をせずに済む。この安心感は、長く働き続けるうえで非常に大きいと感じています。
講師職を含む中で、急な休みが出た場合はどのような考え方・体制でカバーされていますか?
教育を提供する立場として、生徒への責任は最優先です。そのため、アタムでは「健康管理も仕事の一部」という考え方を共有しています。
もちろん体調を崩すことは誰にでもありますが、日常的な自己管理も含めてプロとしての役割だと捉えています。
一方で、万が一誰かが休む場合には、他のメンバーがカバーすることが前提になっています。これは「お互い様」という感情論ではなく、あらかじめ業務として組み込まれている考え方です。
安定してパフォーマンスを発揮できる人ほど、自然と信頼が積み重なり、評価にも反映されていきます。無理に休まないことを求めるのではなく、役割と責任を明確にしたうえで、チームとして支え合う体制を整えています。

自律した働き方を支える組織文化
フルリモート・フレックスという自由度の高い環境で、信頼や評価はどのように定義されていますか?
アタムにおける「自由」とは、好き勝手に働くことではありません。「いつ、どこで働くかを自分で決める権利」と定義しています。
その自由が成り立つ前提として重要なのが、「自分の持ち場を守ること」です。フルリモートでは働く姿が見えない分、「この領域はあの人に任せておけば大丈夫」という信頼が何より重要になります。
評価についても、働いた時間やプロセスではなく、「約束を守り切ったかどうか」を重視しています。自ら設定した目標や納期を確実に果たす。その積み重ねが信頼となり、結果として大きな裁量につながっていきます。
「中抜けを前提としない」ルールには、どのような公平性や運用上の意図があるのでしょうか?
業務の公平性を保つため、アタムでは中抜けを前提とした働き方は採用していません。フルリモート勤務であるため、労務管理を個別に細かく把握するのは現実的ではなく、ルールを明確にすることで全員が納得できる環境を作っています。
ただし、休むこと自体を否定しているわけではありません。必要な場合は、時間単位有休の取得、欠勤や早退として扱い、その分評価に反映されるというシンプルな仕組みです。
「休むか、評価を優先するか」を選べる状態にすることで、どちらか一方だけが不利になることを防いでいます。完璧な答えがあるわけではありませんが、組織として持続可能な形を模索した結果、このルールに行き着きました。
多様なライフステージへのメッセージ
働き方の多様性が語られる時代ですが、どんなスタイルを選ぶにしても、その土台にあるのは「周囲からの信頼」だと考えています。そして、その信頼は、確かな成果――すなわち価値貢献の積み重ねからしか生まれません。
仕事においても、家庭においても、自分の持ち場で何ができるのかを考え、目の前の役割に誠実に向き合うこと。その一つひとつは小さなことに見えても、積み重なれば確かな信頼となり、やがて自分自身の選択肢を広げていきます。
アタムが業務のオンオフを明確にし、仕事に集中する環境を整えているのも、社員一人ひとりに、最短距離でその「価値」を生み出してほしいという思いがあるからです。余計なことに気を取られず、まずはプロとしての役割を果たす。その積み重ねこそが、結果として本当の意味で「自分らしい」人生を形づくる力になると信じています。
ライフステージによって、働ける時間や環境は変わっていきます。それでも、今の自分にできる形で価値を届け続けることはできる。そうした姿勢が、長く健やかに働き続けるための土台になっていくのではないでしょうか。
編集後記
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フルリモートって聞くと、柔軟そうっていうイメージを持つ人も多いですよね。
今回お話を聞いたアタムさんの取り組みは、ちょっとストイックに感じる部分もあったんです。
でも、これって厳しさのためのルールじゃなくて、「どうしたら、無理せず、でも長く元気に働き続けられるか」を本気で考えた結果なんだな、って。
自由だけを切り取らず、責任とちゃんとセットで考えること。
それを曖昧にしない姿勢があるからこそ、子育て中でも、ライフステージが変わっても、続けられる土台ができているんだと思います。
「自由」って何だろう?って、改めて考えるきっかけになるインタビューでした。
関係リンク
アタムアカデミー
https://atam-academy.com/












役職:代表取締役
ご経歴:2011年東京大学経済学部卒業→2011年株式会社みずほ銀行入行→2017年株式会社みずほ銀行退職→2020年株式会社アタム代表取締役就任
株式会社アタムでの社長就任年:2020年
居住地:千葉県