助産師から研究者、起業家へ! 女性がより健やかで快適に暮らせる社会の実現を目指して ~株式会社MamaWell 関まりかさん

 パーソナル助産師とデジタル技術を掛け合わせた、日本初の妊婦の健康伴走サポート事業を行う株式会社MamaWell(ママウェル)。女性がより健やかで快適に暮らせる社会を実現することを目指し、大学院在籍中に起業した関まりかさん。サービス開始に至るまでの想いを聞きました。

関まりかさんのプロフィール

大学卒業後は助産師として総合病院で勤務し、500 人以上の赤ちゃんの誕生の場に携わる。
その後、千葉大学大学院へ進学し「妊婦の身体活動」をテーマに研究を始める。博士課程在籍中に、自身の研究・助産師・妊娠経験を起業シーズに株式会社 MamaWell を創業。
起業家・1児の母。

助産師から研究者へ、そして起業家へ

 もともとは助産師として総合病院で勤務しており、その過程で多くの妊婦さんが流産・早産を懸念し、身体を動かすことを控える傾向にあることを実感しました。不安により身体を動かすことができない妊婦さんを減らしたいと思い、次のキャリアアップを求めて千葉大学大学院に進学し、修士・博士課程で「妊婦の身体活動」をテーマに研究を行いました。
 自身の研究経験を活かして仕事ができないか考えていた時、折よく学内の起業プログラムに参加することができ、サービスのプロトタイプを元に実際の想定顧客である妊婦さんにインタビューを行いました。その過程で複数の妊婦さんからサービスを立ち上げてほしいと言っていただき、既存のサービスで不利益を被っている妊婦さんの話を聞いたことで、「今起業しなければいけない」と使命感を抱くようになりました。

サービス誕生の背景

 女性の社会進出やライフプランの多様化により、現在日本では晩婚化に伴う妊娠年齢の高齢化が進行しています。35 歳以上の妊婦の割合は1995 年には約10%程度であったのに対し、2020 年には約30%まで上昇しており、妊婦の約3人に1人は高齢出産です。高齢での妊娠は妊娠高血圧症候群や妊娠期うつといった妊娠合併症のリスクを高めることからも、今後、妊娠経過の異常を予防し健康を保つことは一層重要となります。
 これらの妊娠合併症の予防には、妊娠中の適切な身体活動量を達成することが効果的です。しかし日本人には「妊娠するとできるだけ安静にすべき」という考えが未だに根強く、国際的な推奨活動量を満たしていた妊婦は8%未満にとどまるなど、妊婦の活動量不足が深刻な問題となっています。MamaWellは妊婦の活動量不足を解消するため、パーソナル助産師が伴走者として寄り添う妊婦伴走型のサービスを、日本で初めて開始しました。

MamaWellができること

 MamaWellは、妊娠中の女性にパーソナル助産師が伴走者として寄り添う、日本初の妊婦伴走型サービスです。デジタルヘルスを活用し、利用者一人一人に専属の助産師がつき、仕事と健康的な妊娠生活の両立をパーソナルサポートします。
 具体的には、「健康モニタリング」「定期生活プランニング」「いつでも相談」を行い、予防・健康増進を図ります。「健康モニタリング」はウェアラブルデバイスから取得した健康データと、当社開発のアプリに記録された活動状況を分析・モニタリングします。「定期生活プランニング」はそのデータを基に、当社で教育を受けた助産師が、適切な活動量を達成するための生活改善支援を定期的にオンラインで行います。また、「いつでも相談」では妊娠や出産に関する不安や悩みを担当助産師にいつでもLINEで気軽に相談できます。

今後の展望を教えてください

 MamaWellは、「女性がより健やかで快適に暮らせる社会を実現する」をビジョンに掲げ、「女性の生涯における健康をエビデンスに基づいてサポートする」をミッションとしています。本事業は弊社ミッションの具現化第1号であり、妊娠の正常経過から逸脱する妊婦を減らすことで、いずれは全ての妊婦の健康維持を成し遂げることを目指しています。
 また、産前産後の働く女性において、予期せぬ休職・離職の防止や、妊娠や育児がキャリアの成長を抑える要素とならないよう、シームレスなキャリア形成の実現につなげることを目指します。そして、妊娠中の女性だけでなく、数年後に妊娠を控える若い女性や思春期の女性など、支援対象を拡大し、妊娠・出産に対する不安のない社会を目指していきます。


 

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