コロナ禍以前から6割の社員が在宅勤務に!? 〜江崎グリコ株式会社・宮崎さんに伺いました・後編〜

コロナ禍以前の2015年から在宅勤務制度を導入!?
まだ在宅勤務が主流ではない頃から江崎グリコ様で在宅勤務制度を取り入れることができたのはどうしてでしょうか?
前回に引き続き、株式会社江崎グリコ株式会社で経営企画本部コーポレートコミュニケーション部に所属されている宮崎友恵さんと、広報担当の青山さんからお話を伺いました!
最後には、宮崎様からはたママ読者へのメッセージを伺っています。前編はこちら

コロナ禍以前に在宅勤務に切り替わった背景

お子さんと過ごす宮崎様
お子さんと過ごす宮崎様

江崎グリコのフレックスや在宅勤務制度を教えてください。

青山当社では、さまざまなイノベーションを創出するために、多様な人財が活躍できる組織風土づくりを進めており、2013年からフレックスタイム制度、2015年からは在宅勤務制度を導入しています。最初は育児介護従事者を対象としていましたが、育児や介護に関わる社員だけではなく、全員がフレキシブルに自分のライフスタイルに合わせて仕事ができるよう、2018年からテレワーク対象者を正社員・契約社員に拡大し、働き方改革を加速させてきました。江崎グリコの働き方改革としては、企業価値向上と企業理念である『おいしさと健康』の実現を目的に、主に5つのテーマを同時並行で推し進めています。

5つのテーマ

①イノベーションの創出、生産性の向上
②自律・自律
③健康経営
④ワークライフバランス
⑤ダイバーシティー

働き方改革の1つとして挙げられるのがテレワーク。その他にも下記のようなものがあります。 

働き方改革の一例

制度の拡充 テレワーク制度の導入。コアタイムなしのフレックスタイム制度へと再整備。時間単位の年休が取得可能に。
ICTツールの高度化 勤務場所の制約なしに、どこからでもアクセスしやすいようなフォルダやスケジュール、メールなどの環境整備など
環境整備 ペーパーレス化、業務効率化など
意識・行動の変革 ITリテラシー・スキルの教育、フリーアドレス導入など

現在、新型コロナウイルス感染予防対策として従業員の約8割がテレワークを活用していますが、コロナ以前からすでに6 割超の従業員がテレワークを活用していました。
勤務場所の制限はなく、フレックス勤務で、6時から22時まで就業時間を自由に選択が可能です
社内アンケートによると、生産性も向上しており、テレワークを今後も活用したいという声が多く聞かれます。

在宅勤務制度導入に伴う課題は何ですか。

青山テレワークを進める上での課題もあります。その1つが、健康維持です。当社では健康経営にも取り組んでおり、オンラインヨガの提供など、様々な健康維持・向上を支援する活動も行っています。
また、コミュニケーションの活性化も課題の1つですコミュニケーション活性化のきっかけの1つとして、例えばオンライン懇親会時に会社が一部補助を出したり(条件あり)、社内の掲示板では、コロナ禍でのお子さんとの過ごし方を情報交換できる場の開設などもしています。

宮崎:あとは、どうしてもテレワークだと長時間働いてしまいがちですよね。そういう背景から、長時間労働をテレワークで防ぐための取り組みも行っています。
例えば、パソコンのオンオフの時刻が勤怠システムに連携されているので、長時間業務していると上司に連絡が入る仕組みになっています。
子育てや介護だけじゃなく、どの社員に対してもフレキシブルな働き方というのが今後必要になってくると思います。こういった業務改革は全社的に進めていきたいですね。

➖製造や商品開発といったことが専門である社員たちは、テレワーク勤務が難しいような気がしますが…。

青山:もちろん、開発部門など、部門によっては出社して作業が必要な場合もありますので、週に何度か出社している社員もいます。
例えば、週に何回か出社して実験を行い、残りの何日間かは、実験で出たデータを整理しまとめる業務を在宅で行う等、一人ひとりが自らライフデザインを描き、柔軟に働ける環境づくりを目指しています。そうすることで、イノベーションや生産性向上へ繋がれば、と思っています。

 ほかにもある!「Co育てプログラム」


青山
:Co育てPROJECTでは、妊娠期~子育て時期の家族を対象としたワークショップも開催しています。生まれる前から一緒に「Co育て」ができるように考えられた、妊娠中期・後期・出産後の合計3クラスで構成される体験型講座です。

宮崎:例えば両親学級では、赤ちゃんの沐浴の仕方といった実践についてのレクチャーがある。けれどパートナー間のコミュニケーションの仕方とか、コペアレンティングの考え方ってどこも教えくれないですよね。だからこそ、「Co育てプログラム」は、お互いの意識のすれ違いを認識し、家族というチーム作りを目指して開発しました。すれ違いが多くなりがちな出産前後の時期に、プログラムを通じて「どうしたらCo育てできるか」を家族で一緒に考えて話し合うことで、子育てへの不安を軽減するとともに、家族で共に取り組む育児「コペアレンティング」社会をつくっていきたいと考えています。元は対面でやっていましたが、オンラインになり、全国各地のご自宅などから気軽にご参加頂くことができるようになりました。また、パパが積極的に発言してくださるのも嬉しいですね。さらに、プログラム以外でも、毎日の生活の中で、継続して“家族みんなと協力して子育てを行う環境作り”をサポートしたいという思いから、子育てアプリ「こぺ」も提供しています。(こちらのアプリは無料です。)

子育てアプリこぺ
“みんな”と協力して育児をサポートする子育てアプリ「こぺ」

青山:このアプリでは、妊娠期から生まれた後も継続して使用できる「育児ログ」や、家族間で家事・育児を共有・管理できる「To Do ボード」 医師監修のお役立ち情報など、妊娠期から育児期に役立つさまざまな機能を用意しています。
Glicoでは、「液体ミルク」などの商品だけでなく、アプリ「こぺ」やCo育てプログラムといったサービスも一緒に使ってもらうことで、子どものココロとカラダの健やかな成長をサポートするとともに、家族みんなと協力して子育てを行う“Co育て”環境作りをお手伝いしたいと考えています。
又、これらの商品やサービスは、現在、自治体や企業向けにも提供を開始しており、社会全体で子育て支援に取り組んでいきたいと考えています。

はたママ読者へのメッセージ


宮崎さん、最後にはたママ読者へのメッセージをお願いします。

私自身、江崎グリコに入社する前、1年くらい企業に就職せず、色々考えた時期がありました。それくらいの期間ですら、もう一度会社員に戻れるのかな、と不安でした。その後江崎グリコに入って、第二子を出産し、育休を取得しましたが、そのときは再び会社から少し離れた視点で、改めて会社のことを見ることができました。その時感じた課題を今も解決に向けて会社の方針として進めているのがCo育てPROJECTです。
「ずっと仕事をしている・していない」ではなく、「何をしたい」や「何を考えたい」、「私はこれがしたい」そして「社会の役に立ちたい」ということを見つけられることがとても大事じゃないかなと思います。
ぜひ皆さんが思って実現したいことを言葉にしていただき、そして動いて一歩でも進めば、っと世界は広がると思います。皆さんのCo育て、皆さんの未来を応援しています!

江崎グリコ様Information

編集後記

私が子どもの頃からお世話になっている江崎グリコ様。美味しいお菓子と付属のおもちゃに、心からときめいたものでした。生まれる前から育児をパートナーと共有する意識、テレワーク勤務を2015年から取り入れている背景…。会社に所属する従業員を大切にして、子どもを慈しむ愛情がインタビューを通じて強く感じました。同時に宮崎さんや青山さんの会社への愛情も強く伝わりました…!
私自身これからはパートナーや家族を巻き込んで、「みんなで育児をしよう」と決意しました。

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