未経験・主婦・転妻・ママ・コネなしからスタートした

在宅で働くママの一日の暮らしぶりや仕事内容、リアルな本音などを紹介していく「在宅ママインタビュー」。今回は、Webサイト制作業務だけにとどまらず、オリジナル講座の企画や相談業務など幅広く活動されているイズミヤ リエさんの登場です。

■プロフィール

名前:イズミヤ リエさん

年齢:33歳

お子さま:3歳10ヶ月+妊娠10ヶ月

居住地:三重県四日市市

職業:Webデザイナー・講師

ワークスタイル:自営業+在宅/週5日、1日あたり5~8時間

■簡単な経歴

2005〜2008年 闘病生活&アルバイト(カフェ・居酒屋・事務など色々)(2006年大学中退)

2009年~ 化粧品会社入社・都内の百貨店の美容部員として勤務

2013年 大手人材広告代理店に営業職として転職・すぐ体調を崩す

2014年 1年間都内の中小企業にて派遣OLとして社内IT&WEB担当を経験

2015年 結婚&退職・愛知県に移住

2016年 長男出産

2017年 ヒューマンアカデミーのWEBデザイナーコース入学、1年間週に1度通ってWEBデザインの基礎を習得

2018年 フリーランスのWEBデザイナーとして開業

ホームページ制作をベースに販促物のデザイン、動画制作〜取材記事執筆など幅広い仕事を経験。

2019年 転勤で三重県へ移住。

メイン業務であるホームページ制作業務と並行して講師やオリジナル講座作り、相談業務もスタート、フリーランス女性のコミュニティ運営など活動の幅を広げる。


■1日のタイムスケジュール

3:00 起床 事務仕事を片付けたり、自身のコンテンツ制作(納期間近の時には制作業務)

7:00 家族起床 朝ご飯〜子供と遊びつつ、夕飯の支度

8:45 息子を幼稚園に送迎

9:00~ 帰宅・仕事開始(基本自宅や周辺のカフェ。仕事内容によっては出張することも。)制作業務・Zoomや対面にて相談やレッスン・講座開催・事務処理等々日によって色々。

16:30 仕事終了、ダッシュで夕飯支度&バス停までお迎え

17:00〜 息子と遊ぶ時間

19:00 夕食〜入浴

20:30〜21:00 子供と絵本を読んで一緒に就寝


派遣先で任された仕事が、パソコンで何かを作ることの楽しさを教えてくれた。

在宅ママインタビュー

―まずは、リエさんの仕事内容を聞かせてください。

イズミヤ リエさん(以下、リエさん):

2018年にWebデザイナーとして開業し、フリーランスで個人事業主さんのホームページ制作業務を中心に行なっています。他にも、WordPressを使ったホームページ制作やSNS活用などのオリジナル講座を企画・講師をしたり、同じようにフリーランスで働くママたちの相談業務なども行っています。最近は、フリーランス女性のコミュニティ運営も始めました。

―様々な活動をされていますね。そもそも、今の仕事を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

リエさん:

Webの仕事を始めた最初のきっかけは、以前に勤めていた中小企業でパソコン業務を任されたことでした。その会社には、産休を取られる女性の代わりに1年の期間限定で入社し、なんでも屋のように色々な業務を行っていました。その中の1つにパソコン管理があり、社内の方が使うパソコンの不具合に対応したり、初期化やセットアップをしていました。もともと私はパソコンを触るのが好きで、家でも日常的に触っていたので、わりと楽しみながら仕事をしていました。

そんな時に、ITに詳しい女性マネージャーさんから「Webの業務もやってみない?」と声をかけていただき、会社のホームページの更新や管理も任されるようになりました。その会社のサイトはかなり古い状態で、ただ私もパソコン好きとはいえどもホームページを作った経験まではなかったので、ネットでひたすら調べながら対応していきました。Photoshopで画像を作ったり、HTMLのソースをコピペしたり。そうしたら、その姿勢をかってくださったのか、その後はWebに関する仕事をどんどん増やしてもらえるようになったんです。私も「パソコンで作業するのって楽しい!」という思いが次第に強まっていきました。

―その時の経験で一気にパソコン作業への興味が深まったんですね。

リエさん:

その後は結婚して、夫の転勤についていくために会社は退職しましたが、自分の結婚式のアイテムもすべてパソコンで作りました。この作業がまた楽しすぎたんです!でも、招待状に動画にと結構な労力がかかったので、花嫁姿はゲッソリしていました(笑)。

転勤で名古屋に引っ越した後も、私の中に「働かない」と言う選択肢はなく、すぐに派遣でコールセンターの仕事をしていました。その後長男を授かり、仕事は休んでいましたが、派遣ならばまたパソコンを使った仕事ができるだろうと思っていました。

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デザインに興味をもつきっかけになった自作の結婚式のプロフィールブック
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ウェルカムボード

自分の思い描いたものが形になっていくのが楽しくて仕方がなかった。

―そこから、現在のWeb制作にたどり着いた経緯は何でしょうか?

リエさん:

産後しばらくは子育てに専念していましたが、息子が9ヶ月ぐらいのときに、産休を取っているママ友たちが保活やら職場復帰に向けて徐々に動き始めたんです。その様子を見ていたら私もソワソワしてきて、自分が働けるのかどうかを考えるようになりました。

ただ、当時住んでいた地域は待機児童の問題で子供を保育園に入れるのは難しかったんです。なおかつ転勤族だから、外に勤めに出るにもハードルが高い。そう気づいた時には絶望と危機感しかありませんでした。そんな時に、たまたまネット広告でWebデザインの社会人スクールがあることを知りました。前からずっと、パソコンで何かを作りたいと思っていたので「もしかしたらこれは仕事になるかもしれない!」と興味がわき、思い立ったら即行動!ということで学校見学に行きました。

そして、いざ入学すると「Webって楽しい!」と改めて思いました。1年コースだったので、周りは途中で辞めていく人も多かったんですが、私は自分が思い描いたものやコツコツ作業したものが形になっていくのが楽しくて、1年間通い続けることができました。

そのスクールに行っている間は、子どもは一時保育に預けていたので、その保育料もスクールの授業料もすべて自分の貯金から出していました。お金も時間も投資しているから、「絶対にWebデザイナーになろう」と、その時に強く決意しました。

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―スクールの卒業後にすぐにWeb制作のお仕事を始めたのでしょうか?

リエさん:

スクールで勉強しているときから、周りにはフリーランスで働くことを宣言していたので、知人に依頼された名刺やチラシを作成していました。本当は卒業後1年はコツコツと勉強を続けようと思っていたんですが、ありがたいことに依頼が続いていたので、「これは仕事にできそう」と思い、卒業後すぐに開業届けを出しました。

―すごい勇気と決断力ですね!不安はありませんでしたか?

リエさん:

不安はありましたが、幸いお仕事があったので「やるしかない」という気持ちの方が強かったです。あとは、自分が好きなパソコン作業でお金がもらえることも嬉しかったんです。

それから現在に至るまで、お仕事が途切れたことは一度もありません。ご依頼いただいたお客様が、別のお客様を紹介してくださったり、SNSでの発信を見てくださったからメッセージをいただいてお仕事に繋がっています。実は、お仕事の依頼はリアルな繋がりがある方がSNSを経由していただくことがもっとも多いんです。

「どうすれば人の役に立てるのか」をひたすら考えながら情報発信してきた。

―リエさんのことを私たちが初めて知ったのはInstagramでした。今や2,900人以上のフォロワーさんを抱えていますが(2020年1月時点)、ファンづくりは意識されてきたのでしょうか?

リエさん:

いいえ。もともとInstagramに力を入れ始めたのは、仕事でお客様にInstagramを教えたかったからなんです。

そもそもWebサイト制作を依頼されるお客様が一番求めているのは、ホームページではなく『その先にある結果』なんですよね。そのためには、人を集めるための動線づくりや仕組みが重要です。そんな中、あるお客様からInstagramのことを聞かれたので、どうやってそこで人を集められるのか、まずは自分がやってみてから教えようと思いました。特にWebデザイナーの場合、Instagramはビジュアルで訴求するのに最適なツールとも言えますし。

それからは、「私は何で人の役に立てるんだろう」「小さなことでもいいから1番になろう」といったことを延々考え続けました。そうしてたどり着いた答えが、『未経験・主婦・ママ・コネなしでWebデザイナーになった』ことでした。この経験こそが私にしかできない発信だと思い、Instagramでデザインに関する情報発信を始めました。

ニーズがあるのかどうかも分からないまま、自分の経験が誰かの役に立てばと思い、ひたすら発信し続けていました。すると、徐々にフォローやコメント・メッセージをいただくことが増えてきたんです。今、こんなにも多くの方に見ていただけるようになるとは夢にも思いませんでした。

―リエさんが地道に続けていたことが、今、多くの人の為になっているんですね。

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影響を受けた本たち。ビジネス書が大好き、気になったものはすぐポチって隙間時間に読みます。ゆうこすさんの本をきっかけに、SNSへの考え方そのものが変わりました。

伝えること、自分の言葉で書くことは私の使命。

―今は様々な活動をされていますが、リエさんを突き動かしている原動力は何なのでしょうか?

リエさん:

もともと、情報発信したり言葉にして伝えるのが苦じゃない性格なんです。自分の言葉で書くことが楽しくて好きで、振り返ると小さいころからそういうことをやってきました。例えば、社会科で調べたことを発表したり生徒会で新聞を発行したり、部活でも筋トレメニューを考えたりなど。これは私の使命なのかもしれないと思っています。そして、今はフォロワーさんを始め、周りの皆さんからいただく言葉や反応が励みです。

ちなみに、出産前にも個人ブログを開設して(現在は閉鎖)、結婚式の情報や妊娠中のお役立ち情報などを発信していたことがありました。その時もフォロワーさんが日に日に増えていくのが楽しみで、モチベーションになっていました。そのブログをきっかけに知り合い、今もお仕事でつながっている方もいるんですよ。

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初めてのインスタ講座、名古屋で自主開催。

「区切る」ことを意識しながら、家族を最優先に考えている。

―在宅で働き始めて2年目ですが、在宅で良かったと思うことは何ですか?

リエさん:

場所をかえても仕事ができるということです。わが家は1~2年のスパンで転勤があるので、そのたびに仕事を探したり保育園を探すのは大変です。かつ、転勤族の場合は保活が厳しいんです。なので、幼稚園に預けながら仕事ができるのも在宅の大きなメリットですね。

―逆に、在宅で大変なところはありますか?

リエさん:

子どもが体調を崩して幼稚園を休むとき、職場勤めの方であれば誰かが代わりに作業をやってくれることもありますよね。けれども、在宅でフリーランスだと、誰も私の仕事を代わってはくれません。なので、日々の生活にしわ寄せがくることもあります。

―家事や育児とのバランスを取るために工夫していることはありますか?

リエさん:

「区切る」ことを意識しています。時間もきちんと区切りをつけるように、例えばメールの署名には営業時間を明記しています。あとは、子どものお迎えの時間になったらメールの返信はしない、子どもを幼稚園に見送るまでは家族の時間にする、SNSはこの時間帯にしか触らないなどのルールを設けています。

また、土日は仕事しないようにしています。以前は子どもがいるときもつい作業をしてしまったり、仕事に集中するあまり夫の話もきちんと聞いたりしていませんでした。なので、夫婦関係も今ほど良好ではありませんでした。「このままでは良くない」と思ってからはオンオフの切り替えを意識するようにしました。

あとは、食洗器や衣類乾燥機、お掃除ロボットなど時短家電も積極的に取り入れています。料理は私にとって気分転換の一つです。夕飯は朝にまとめて作っています。

―リエさんの仕事について、旦那さんはどう思われているのでしょうか?

リエさん:

夫は私がやっていることは否定せずに応援してくれますし、「すごいね」とか「こんなに早くに仕事になるとは思わなかったと」とか言葉にして一緒に喜んでくれますし、アドバイスもくれます。以前は、家事はすべて自分でやらなければと背負いこんでいましたが、今は私がやらない時には夫が率先して動いてくれるので助けられています。

私にとっては夫と子供の寝顔を見ているのが一番幸せな瞬間で、一番大切な存在だと感じています。家庭を最優先にしようと思ってからは、やり方を変えていきました。

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―どのようにしてストレスを発散やリフレッシュしていますか?

リエさん:

私はストレス発散やリフレッシュがあまり上手ではないんですが、この前は夜中にドライブしたり、スタバが好きなのでスタバの空間でテンションを上げて仕事をしたりしています。ブログを書くのも私にとっては気分転換の一つです。

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夜中ドライブして行くこともある近所のお気に入りのスタバ、スタバに行くとやる気10倍増しです。

―在宅ワークを行う上で、大切にしていることやルールなどはありますか?

リエさん:

自分が大好きだと思えるお仕事で、かつお客様が喜んでくれる仕事をやっていきたいと思っています。そのために、少しでもモヤモヤするような仕事はきっぱりと断るようにしています。

在宅や自営業における保活のハードルを下げてほしい。

―在宅で働くママとして、社会や世に対して思うことや変わってほしいことはありますか?

リエさん:

保活の時、在宅や自営業の場合は点数が低くなるなど不利になることが多いんです。でも、やっていることは外に勤めに出ているのと同じです。なので、保育園に入れるハードルは下がってほしいと思います。あとは、地方の場合、民間の子育て支援や家事代行などのサービスがあまり充実しておらず、情報も少ないと感じます。そういう情報がまとまって見られるようなものがあれば嬉しいですね。

―今後はどのようにして暮らしていきたいですか?

リエさん:

やはり家庭がベースなので、その軸はぶれずに持ち続けたいです。その上で、今後も仕事を続けていこうと思っています。ただ、出産や病気をすると替えが利かないと感じているので、働き方は日々見直していくつもりです。例えば、仕事量を自分のキャパのギリギリまで増やさないとか、収入は減らさずに仕事量は減らしていくとか。また、先ほどもお話したように料理が好きなので、料理の時間が減るのもストレスなんですよね。なので、そういった時間もきちんと確保していきたいです。

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在宅ママインタビュー
息子とのお出かけが一番の気分転換

―最後に、在宅で働きたいと思っているママさんたちに向けてメッセージをお願いします。

リエさん:

私はどちらかといえば安定思考で、起業や独立とは縁遠い人間でした。「自分にはスキルが何もない」とすら思っていました。なので、今フリーランスと名乗っているけれども、本当にそのような仕事ぶりができているのかなと疑問さえもあります。勢いだけで突っ走って失敗もしたことも多々ありました。

この仕事をしていると、さまざまな業種のフリーランスの方に会うようになりました。彼女たちを見ていても、フリーランスや在宅の仕事は気楽ではないし大変と感じます。けれども、みんな『好き』を仕事にしています。そして、働き方も様々です。

なので、フリーランスや在宅の仕事は普通の主婦の方でもできるし、誰にでもなれる可能性は無限にあると感じています。特別なスキルが無いと感じていても、みんな必ず何かしらの強みや才能を持っています。過去の仕事の経験や人生経験もスキルに変えられます。現に、私がしていることは過去の異業種での仕事経験が大いに役立っています。自分の世界をつくって情報発信さえすれば、経験年数など関係なく仕事ができると思います。得意なことや好きなことをしていけば、自分だけの仕事ができるようになります。なので、これから何かやりたいと思っている方には、「あなたにもできるよ!」ということを伝えていきたいです。

あとは、私のように勉強しても仕事が取れないという方や、仕事を安くで請けているフリーランスの方も多い現状に心が痛みます。そこも、自分自身が何かしら動くことで、変えていけたらいいなと思っています。

―未経験・主婦・転妻・ママ・コネなしからスタートしたリエさんの言葉に励まされる方も多いと思います。

ありがとうございました!


■リエさんのおすすめツール

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・逆算手帳・・・

ビジョンを見える化して開くとワクワクする未来を描く手帳です。

運営しているコミュニティでもシェア会をしてみんなで楽しく取り組んでいます。

・マイノート・・・

いわゆるネタ帳です(笑)

ブログネタからビジネスアイディア、家の買い物リストや子供の成長まで、

なんでもかんでも思いついたことを書きなぐっています。

・グーグルカレンダー・・・

予定は手帳ではなく全てこちらで管理。

・Evernote・・・

ブログや発信ネタ、素材、パスワードなど仕事のものの家のものも一元管理。

あまり色んなツールを使うのが得意でなく、タスク管理とかはノートに書くことが多いです。ついスマートフォンに色々入れると気になって見たり返信したりしてしまうので、アプリは消していて仕事関連のツールはほぼPCで開くようにしています。


■イズミヤ リエさんのサイト

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https://freelance-mama-life.com/

リエさんが作成されたスペシャルBook『インスタグラムアカウントの作り方』を無料で配布しています。インスタグラムをお仕事で活用されたいフリーランス・個人事業主女性(になりたい方も!)に向けた1冊です。ご興味がある方は、イズミヤ リエさんのサイトよりダウンロードください。