身近な課題から未来の地球規模の課題までを視野に入れたプロダクト開発を目指して株式会社Space Dogを設立した鎌田瑞生さん。
現在は自動運転や工場設備の制御などを支える組み込みソフトの開発を手がけながら、愛犬との暮らしやライフスタイルを大切にできる柔軟な働き方を追求しています。
会社を立ち上げたきっかけや、日々の働き方、そしてこれから目指す会社のかたちについて、お話を伺いました。
株式会社Space Dogとは
会社名「Space Dog」の由来を教えてください。
「スペース」は文字通り“宇宙”です。私はもともと宇宙探査ドローンのような開発に関わりたくて会社を立ち上げました。だからスペース。そして「ドック」は犬ですね。うちの愛犬ぷーの存在が大きいですし、探査といえば犬、というイメージもあって。
現在の事業内容について教えてください。
組み込みソフトの開発を中心に行っています。たとえば、食品工場でお弁当の具材をロボットで盛り付けるプロジェクトとか、現在は自動運転制御ソフトも開発しています。
高齢者向けの家庭内清掃ドローンを企画・開発しており、将来的には宇宙探査用ドローンのような、人類の課題解決に貢献できる製品づくりに挑戦したいと考えています。
法人を立ち上げた背景についてお聞かせください。
法人設立に至るまで、私はFA(ファクトリーオートメーション)業界で長年エンジニアとして働いてきました。技術的にやりがいのある仕事も多く経験してきましたが、次第に「チームで、人の役に立つ製品を一からつくり上げたい」という想いが強くなっていきました。
自分の手で方向性を定め、志のある仲間とともに、社会に必要とされるプロダクトを形にしていきたい。その想いを実現するために、2024年に法人を立ち上げました。
どんな会社を目指していますか?
大きな目標としては、NASAやJAXAと仕事ができるような会社。ですが、同時に「誰かを犠牲にしない会社」でもありたいと思っています。
社会課題に向き合う製品をつくる以上、まずは自分たちの働き方が誰かの犠牲の上に成り立つものであってはならないと思っています。
家族やペットと過ごす時間を大切にしながら、自分のリズムで働ける環境こそが、長く、深く、良いものを生み出す土台になると考えています。
そういった価値観を大事にしながら、挑戦と安心の両立ができる会社を目指しています。
ペットフレンドリーな働き方
ペットフレンドリーな働き方を実践されているそうですが、具体的にはどのように?
ぷーが一人で過ごしてストレスを感じることがないように、フルリモートで働ける環境にしています。勤務時間もなるべく固定せず、日中に散歩できるようにしています。
昼食ついでに浜辺の公園で散歩、仕事終わりにもほぼ毎日ぷーを連れて公園などに行っています。リモートで仕事ができるので、家族と公園に行き自分は車内で仕事しつつ、家族とぷーちゃんは散歩する、なんてこともよくあります。
また、将来的には社内にドッグランを設置したいと考えています。
実際にそうした働き方をしてみて、ご自身にどんな変化がありましたか?
日中に散歩する習慣やいろいろなところへ外出するようになったおかげで運動の習慣ができて、体重も適正になりました。視力も上がって、ついでに身長もちょっと伸びました(笑)。ぷーが夜は「もう寝ようよ」って鳴いてきたり、朝は「起きて」って教えてくれるので、生活リズムが整いました。心の安定にもつながっています。

「大切にしたい誰か」と一緒に過ごせる働き方
こうした働き方は、ペットだけでなく、子育てや介護にも通じる話ですね。
まさにそうです。お子さんや介護が必要なご家族がいる方にも、同じように一緒に過ごせる時間を大事にできる働き方が必要だと思っています。
子供が子供である時間は短く、貴重なものですので、なるべく近くで見守っていたいという想いは、皆さんあると思います。
そういうニーズに私の会社の理想とする働き方はフィットすると思います。
また、介護や通院等の事情がある方でも、働きやすい環境だと思います。
今後、採用や組織づくりにおいて意識していきたいことは?
働きやすさは人それぞれです。リモートが合う人もいれば、オフィスで働く方が良い人もいる。どんなニーズでも一度受け止めて、どう実現できるかを一緒に考える会社にしたいと思っています。押しつけるのではなく、選べる働き方を提供したいですね。
最後に、働き方に悩む読者に向けてメッセージをお願いします。
私自身、ぷーとの暮らしを通じて「一緒に過ごす時間の大切さ」を実感しました。これは、子育てや介護、療養など、さまざまなライフステージにある方々にも共通する感覚だと思います。
働き方に「こうあるべき」という正解はなく、それぞれの事情や価値観に寄り添った環境こそが、安心して働き続けられる職場につながると信じています。
これからも、目の前の大切な存在を犠牲にしない働き方を追求し、誰もが「自分らしく働ける」会社づくりを目指していきたいと思います。
編集後記

ペット、子育て、介護。誰かを大切に思う気持ちが、働き方の理想をつくっていく。そんなメッセージが印象に残るお話でした。株式会社Space Dogが目指す「自分らしく働ける会社づくり」の実現が楽しみです。
関連リンク
株式会社Space Dog
職業・役職:代表取締役
法人設立年:2024年8月
勤務形態:フルリモート勤務
居住地:神奈川県
飼っているペット:アプリコットのトイプードルの男の子(1歳半)。ぷーちゃんと呼んでます。