子どもの小学校入学を控え、働き方に不安を感じている方は多いのではないでしょうか。特に、下校時間の早さや学童の定員不足、長期休暇中の預け先問題など、共働き家庭にとって「小1の壁」は大きな課題です。
そんな中、国は学童サービスの拡充を打ち出し、「放課後児童対策パッケージ2025」を進めています。学童の受け入れ人数増加や夏休みの開所支援など、制度が変わろうとしていますが、本当に小1の壁は解消されるのでしょうか。
本記事では、学童サービス拡充の最新動向や、子育てしながら働く家庭が今からできる現実的な対策を分かりやすく解説します。
目次
学童サービス拡充の全体像

「2025年の学童拡充」と聞いても、具体的に何が変わるのか分からないという方は多いでしょう。
今回の施策は、単に学童の数を増やすだけではなく、受け入れ体制や運営方法そのものを見直す点に特徴があります。まずは全体像を押さえ、どんな方向性で制度が変わろうとしているのかを整理していきます。
放課後児童対策パッケージ2025のポイント
放課後児童対策パッケージ2025は、共働き家庭の増加を背景に、学童保育の受け皿不足を解消することを目的とした国の総合施策です。主なポイントは「受け入れ人数の拡大」「夏休みなど長期休暇中の開所支援」「人材確保への支援強化」の3つに集約されます。
具体的には、学校敷地内だけでなく、校外施設やプレハブ、分室の活用を進めることで、定員の柔軟な拡張を可能にします。
また、これまで負担が大きかった夏休み期間の運営に対しては、自治体への財政支援を手厚くし、開所日数や時間の確保を後押しします。
さらに、放課後児童支援員の確保・育成を目的に、採用支援や研修制度の充実も盛り込まれています。
(参考:こども家庭庁「放課後児童対策パッケージ 2025」)
国・自治体・現場の役割分担
今回の拡充策では、国が方針と財政支援を示し、実際の運営は自治体が担うという従来の枠組みは変わりません。ただし、これまで以上に国が後押し役として前面に出る点が特徴です。
一方、自治体は地域の実情に合わせて施設整備や人材配置を進めるため、同じ制度でも地域によって対応スピードや内容に差が出る可能性があります。
現場である学童クラブや学校は、利用者増加に対応するため、運営方法の見直しやICTの導入など、業務効率化が求められます。
つまり、制度は全国共通でも、実際の使い勝手は住んでいる自治体次第になる点は押さえておくべきです。
「小1の壁」はなぜ起きる?背景と2025年施策の関係
小1の壁は、突然現れる問題ではありません。保育園時代には当たり前だった仕組みが、小学校入学と同時に大きく変わることで生じるギャップが原因です。
ここでは、小1の壁が起きる背景を紹介したうえで、2025年の施策がどこまでギャップをカバーできるのかを整理していきます。
小1の壁を生む4つの要因
小1の壁の背景には、大きく分けて4つの要因があります。
- 時間の壁:小学校は下校時間が早く、長期休暇も多いため、フルタイムで働く親との生活リズムが合わなくなります。
- 制度の壁:保育園は原則全員が預けられるのに対し、学童は定員制で、希望しても入れないケースがあります。
- 情報の壁:学童の申請時期や条件は自治体ごとに異なり、情報を自分から取りに行かないと分からないことが多いのが実情です。
- 人手の壁:支援員不足により、開所時間や受け入れ人数が制限されることもあります。
2025年施策で改善が期待できる点
2025年の学童サービス拡充は、前述した壁のうち、特に「制度」と「人手」にアプローチする内容です。
施設の柔軟な活用により、定員不足の解消が期待され、人材確保支援によって運営の安定化も進むでしょう。
また、夏休みなどの長期休暇に対する支援強化は、時間の壁を感じやすい家庭にとって大きなメリットです。
ただし、下校時間そのものが変わるわけではないため、働き方との調整が不要になるわけではありません。制度が整っても、家庭側の準備は引き続き重要になります。
来年小1の家庭が最初にやるべきこと
制度の話を知っただけでは、実際の不安は解消されません。特に、子どもの小学校入学を控えている家庭にとっては、今すぐ動ける具体策が必要です。
この章では、学童拡充を踏まえたうえで、最初に取り組むべき実務的なステップについて紹介します。
学童の申請スケジュールを最優先で確認する
まずやるべきことは、自治体の学童申請スケジュールを確認することです。多くの自治体では、前年秋から冬にかけて翌年度分の申し込みが始まります。この時期を逃すと、待機児童扱いになる可能性があります。
「まだ1年あるから大丈夫」と思っていると、情報収集が遅れがちになるため、できるだけ早く行動しましょう。
自治体のホームページを見るだけでなく、子育て支援課や教育委員会に直接問い合わせることで、最新の情報や拡充予定を聞ける場合もあります。
自治体窓口で疑問を解消する
学童に関する不安を減らすためには、自治体への直接確認が非常に有効です。問い合わせの際は、「学童はありますか?」という質問だけで終わらせず、以下のように踏み込んだ質問を意識しましょう。
- 来年は定員が増える予定がありますか?
- 夏休み期間も通常通り利用できますか?
- 分室や校外施設を使う予定はありますか?
- 低学年優先の基準はどうなっていますか?
制度が拡充されても、現場に反映されるタイミングは自治体ごとに異なります。
だからこそ、早めに聞いておくことで、希望が叶わなかった場合の代替案を考える余裕が生まれます。
公的学童だけに頼らない選択肢を持つ
学童拡充が進んでも、学童に必ず入れるとは限りません。そのため、公的学童だけに頼らず、複数の選択肢を想定しておくことが重要です。
具体的には、民間学童、習い事型の預かりサービス、ファミリーサポートなどがあります。
費用は公的学童より高くなる傾向がありますが、毎日ではなく週に数日利用する、夏休みだけ利用するなど、部分的に組み合わせることで負担を抑えることも可能です。
選択肢を知っているだけでも、心理的な安心感は大きく変わります。
小1の壁を見据えて働き方を見直す家庭も増えている

学童サービスの拡充が進んでいることで、「制度が整えば、これまで通りフルタイムで働ける」と考えている家庭も多いかもしれません。
しかし実際には、子どもの生活リズムや家庭ごとの事情によって、働き方そのものを見直す選択をするケースも増えています。
以下では、それぞれどのように働き方を見直しているのか、具体的に紹介していきます。
フルタイム継続が難しくなるケース
小学校入学後、これまで通りフルタイムで働き続けることが難しくなる家庭は少なくありません。その理由の一つが、子どもの下校時間の早さです。
たとえ学童に通っていても、子どもは体力的に疲れやすく、夕方以降に不安定になることもあります。また、急な体調不良や学校行事への対応など、平日日中に親の関与が必要になる場面も増えます。
こうした変化に直面し、「仕事は好きだけれど、今の働き方のままで本当にいいのか」と悩む保護者も多いのが実情です。
時短・在宅勤務・フレックスという現実的な選択
小1の壁をきっかけに、時短勤務や在宅勤務、フレックスタイム制度を活用する家庭も増えています。なぜなら、勤務時間を短くしたり、始業・終業時刻を調整したりすることで、子どもの生活リズムに合わせやすくなるからです。
一方で、収入面や評価への影響を不安に感じる人も少なくありません。そのため、制度の有無だけでなく、「実際に使いやすい職場かどうか」を見極めることが重要です。
学童サービスと柔軟な働き方を組み合わせることで、無理のない両立が可能になるケースもあります。
転職・部署異動を検討する家庭もある
現在の職場では柔軟な働き方が難しい場合、転職や部署異動を選択肢に入れる家庭もあります。特に、子育てと仕事の両立を前提とした制度が整っている企業や、在宅勤務が定着している職場への関心は高まっています。
小1の壁は「今すぐ辞めるかどうか」の問題ではなく、今後のキャリアを考えるタイミングでもあります。
学童サービスの拡充を追い風にしつつ、自分たちの家庭に合った働き方を主体的に選ぶことが、長期的な負担軽減につながります。
学童拡充でも埋まらない“地域差”の現実
放課後児童対策パッケージ 2025の施策は全国共通ですが、その効果の出方は地域によって大きく異なります。
なぜなら、都市部と地方、人口増加地域と減少地域では、学童を取り巻く環境がまったく違うからです。この章では、地域差が生まれる理由と、その見極め方について詳しく解説します。
自治体ごとに差が出る理由
学童の運営主体は市区町村であり、施設整備や人材確保の進み具合は、自治体の財政状況や人口構成に左右されます。
その点で、共働き世帯が急増している地域では、国の支援があっても需要に追いつかないケースがあります。
一方で、比較的余裕のある自治体では、分室整備や開所時間延長などがスムーズに進むこともあります。
つまり、「制度がある=自分の地域でも使える」とは限らない点を理解しておきましょう。
自分の地域の学童事情を調べる方法
地域差を把握するためには、公式情報と生の声の両方をチェックすることが有効です。
自治体のホームページでは、定員数や申請状況、待機児童数が公開されていることがあります。
加えて、同じ小学校区の保護者や、保育園時代のつながりから情報を得ることで、「実際はどうだったか」というリアルな状況が見えてきます。
制度の拡充情報と、現場の実態をセットで捉え、後悔しないよう準備を進めましょう。
企業側の動きも変わりつつある
小1の壁は、家庭だけの問題ではありません。働く親が増える中で、企業側も少しずつ対応を迫られています。
近年では、企業が保育施設や学童と連携し、従業員の子どもを預かる取り組みも増えています。企業主導型保育園の延長線上で、放課後の居場所を確保するケースもあり、「職場の近くで子どもを預けられる」点がメリットです。
すべての企業で導入されているわけではありませんが、今後は人材確保や定着の観点から、こうした取り組みが広がる可能性があります。
親が職場に相談するときの考え方
制度やサービスが整っても、最終的に重要なのは働き方との調整です。学童の開所時間や長期休暇に合わせて、時短勤務やフレックス、在宅勤務の活用を相談することも選択肢になります。
その際、「小1の壁が不安です」と伝えるよりも、「○月から下校時間が早くなるため、△曜日だけ調整できないか」と具体的に伝えるほうが、理解を得やすくなります。
制度だけでなく職場との両方を活用する視点を持ちましょう。
よくある疑問Q&A
ここでは、小1の壁や2025年の学童拡充について、よくある疑問をQ&A形式で整理します。
忙しい方でも要点だけ把握できるよう、簡潔にまとめました。
サービス拡充で、学童は入りやすくなりますか?
学童拡充により受け皿は増える見込みですが、必ずしも全員が希望通りに利用できるとは限りません。
特に需要が集中する地域では、引き続き競争が発生する可能性があります。
夏休みの預け先問題は解消されますか?
長期休暇中の開所支援は強化されますが、開所時間や利用条件は自治体ごとに異なります。
早めに確認し、代替案も検討しておくと焦らずに済みます。
放課後児童支援員ってどんな人? 採用は増える?
放課後児童支援員は、学童保育で子どもたちの安全を見守り、遊びや生活を支える仕事です。
共働き家庭の増加や「放課後児童対策パッケージ2025」の影響もあり、全国的に人手不足が続いているため、今後も自治体を中心に採用は増えると考えられます。
まとめ|「小1の壁」は“情報と準備”で低くできる
2025年の学童サービス拡充により、小1の壁は確実に乗り越えやすくなりつつあります。ただし、制度があるだけで自動的に問題が解消されるわけではありません。
重要なのは、「早めに情報を集めること」「自治体と職場、両方を視野に入れて準備すること」「一つの選択肢に固執しないこと」です。
小1の壁は不安になりやすいテーマですが、正しく知り、備えることで、必要以上に恐れる必要はありません。 変化を上手に活用し、子育てと仕事の両立を、自分たちのペースで整えていきましょう。











