ワークライフバランスの見直しで、残業ゼロ・テレワークのスタート!

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工場や倉庫など金属製屋根用の建築部品の設計、製造、販売および、ソーラーパネル取り付け金具の設計、製造、販売している株式会社サカタ製作所。

今回は、同社で社会保険業務や採用、労務費管理、健康経営等の取り組み、ワークライフバランスの推進等を担っている人事・労務の後藤 美奈子さんにお話を伺いました。

後藤さんがサカタ製作所に入社したきっかけ

プロフィール
名前:後藤美奈子
職業:事務職
お子さんの年齢:16歳、12歳
居住地:新潟県長岡市

 

入社されたきっかけを教えてください。

システムエンジニアとして培った経験を、情報システム部門で活かせると考えたためです。

 

担当されている業務内容を教えてください。

入社当時は情報システム部門に所属し、社内の業務システムの運用保守を担当していましたが、2014年に人事・労務部門へ異動。現在は、社会保険業務や採用、労務費管理、健康経営等の取り組み、ワークライフバランスの推進等を担っています。

社内の仕事環境。希望者がスタンディングデスク&バランスボールを利用。健康経営の一環だそう。

育児休暇について

育児休暇を取得されましたか?
2010年に約5ヶ月間取得しました。

 

産休・育休を取得するための苦労はありましたか?具体的にどのようなことをしましたか?

私の後任の方には、進行中の案件に関してはサブで入ってもらい、私が抜けても大丈夫なようにしていました。当時私は情報システム部に所属していて、基本的な機能の提供といった、ソフトの部分を担当していました。新しい仕組みを導入することが業務でしたので、産休・育休で抜けても影響が及びにくい職種だったかもしれません。

 

取得されてどう感じられましたか?

自分の体の調子と、赤ちゃんも含めた家族全体の生活リズムを取るためにも必須であると感じましたね。

 

復帰後に苦労したことを教えてください。

復帰に当たり、次女を保育所へ預け始めましたが。預け始めは子どもが病気になりやすく、仕事と家庭の両立が難しかったですね。

 

会社の制度について

会社の子育て制度について教えてください。

最近は、子どもが1歳になるまで育児を中心にしたい、と考える社員が増加したという印象ですね。小4まで利用できる育児短時間勤務制度(6時間勤務)を利用する社員も増えました。

県内の学童保育は18時頃に迎えに行くのが普通。そういう状況なので、フルタイムで勤務しているとなかなか難しいし、学童保育が終了するのは小3…とい複数の理由から育児短時間勤務制度ができました。

 

利用しなかったが、良いと感じている会社の制度等はありますか?

会社独自ではありませんが、『パパ休暇制度』の活用は良いと思います。

男性社員でパパ休暇制度を利用し、子どもが生まれてすぐと、1歳間近で2回取得しているケースがよく見られます。父親側が2回育休取得してくれると、病院からの退院時と復職時に父親を当てにできるので良いなと思います。

また育児短時間勤務については、子どもが小学校4年にあがる前日まで申請可能となっています。生活面に重きを置いた社員が活用しているので、私は利用しませんでしたが良いと思います。

 

テレワークの取り入れ方、働きのメリット・デメリット

テレワークをどのように取り入れていますか?

コロナ禍の前からスタートし、ワークライフバランスの点からテレワーク勤務規定が整えられるようになりました。最初の頃は週一回程度本人が希望すれば認める、という感じでしたね。そのうち、こもり仕事は出社せず自宅でできる環境があれば生産性が上がるのでは、という結論に。テレワークを取得できる体制を整えて生産性をあげようというところから活用が本格的になりました。

製造職など、工場作業が必須の社員以外はテレワーク可能な環境を取っており、コロナウイルスの状況や、業務の状況に応じてテレワークを行っています。

私の所属する総務部では2チームで3日おきテレワーク体制です。

オンライン会議中。上司や同僚とは奇譚なく意見を交わす姿を見て、お子さんは驚くことも(笑)。お子さんは後藤さんの仕事ぶりを見て「自分にはできない…!」という時もあるのだとか。

現在の働き方のメリットと課題について教えてください。

メリットは残業しないように生産性あげられる社員やそのマネジメントできる管理職を評価する社風になったことで、残業が基本的にない事、有休がとりやすい事によって、仕事と家庭の両立が図りやすいことですね。

また、一人で集中して行いたい業務はテレワーク時に行うなど、業務内容と働き方の組み合わせで、良いパフォーマンスが発揮できるように自分で調整できるメリットがあります。

課題は、男性育休に関しては、取得者の回りの上司や、同僚・部下などサポート者、一人ひとり状況が違いますよね。だからこそ難しく、どの程度、どの範囲までやればいいのかがわからないので、まだまだ不十分ですし、満足度の高い制度にするには難しいなと感じています。

 

➖今後、どんな自分になりたいでしょうか?

もともと私はシステムエンジニア・プログラマー職からの転職組ということもあり、担当である社保業務、人事労務業務にはまだまだアナログな部分があると感じます。その都度適したシステムを取り入れて、電子化の波に乗り遅れないようにしたいです!

 

サカタ製作所の働きやすい環境とは

働きやすい環境への取り組み、それに対する社内での反応、また、現在感じている課題がありましたら教えてください。

仕事と家庭の両立推進を進めていき、男性の育児休業取得推進に至った格好になっています。経緯は下記の通りです

①意識改革

・2014年11月全社集会における会社方針にて社長より残業ゼロ方針が伝えられる。元々は残業自体30%の削減を目指していましたが、ワークライフバランス社の小室先生の講演で生産年齢人口や、ワークライフバランスに関する講習をしていただいたことがきっかけで、トップダウンで残業ゼロへの取り組みを指示。

 

 ・2015年1月残業時間外方針について全社通達

*残業時間外労働への考え方について下記を周知

「社員の健康面・精神面の維持増強や生産性と作業効率向上等のため」に、「業務の見直し」を行い、早帰りを推奨し、残業ゼロを目指し、「残業・時間外労働の削減」への取り組みを推進します。

今後は、長時間残業をしている人ではなく、「与えられた時間内で、期待する成果を出せる人 (時間当たり生産性の高い人)」を評価します。

 

*管理職に期待することとして下記を周知

1. 残業・時間外労働における「残業ゼロ」に向けた具体的な取り組み

2. 残業・時間外労働における管理職のマネジメント強化

3. 残業・時間外労働に対する社員の意識改革

・上記全社通達を受け、業務の棚卸、属人化解消、時差出勤等の取り組みについて

各部署で検討され始める

 

②業務改革

・柔軟な時差出勤対応

・属人化業務の棚卸、多能工化の推進

 

③IT導入による生産性向上

・携帯電話の内線化

・勤怠管理システムの導入による柔軟な時差出勤や時間単位有休の導入

・仮想PCの導入(どこでも同じ環境を提供するため)※現在は、これではなくどこにいても社内のリソースにアクセスできるように仕組みを変えています。

 

①~③の取り組みから属人化解消、生産効率向上を行い、残業がない状態が普通となりました。その後、残業しなくても業務が廻せる下地作りが進んでいたことが男性育休の取得が進んだことに大きく寄与していると感じています。

男性育休は2015年に初めて取得実績ができました。

社会保険担当の社員が男性育休を取得した場合、本人メリットがあるのではないかと試運用をしたのがきっかけです。

この後、配偶者の病気による男性育休対応を踏まえ、制度の概要を把握すると、男性育休は、社員家族にも、収入面でもメリットがあり、男性の育休取得の有効性を感じました。ただ、女性社員に比べて男性は取得期間が短い。女性社員の場合は産休・育休中は人員を補填できましたが、男性社員は社内の人員を補填して抜けた分の仕事を回す…という状況でした。

実際に、数人育休取得者が現れると自分も取りたいけど、職種的に業務に穴をあけるので言いだしづらいと相談がありました。そこで、社長から全体朝礼で育休取得推進の訓示や、総務から管理職への育休制度の説明による意識改革を行いました。

 

育児休業推進の障壁・課題(組織の業績や、働き手の不安払拭)について

育児休業推進の課題点はどういうところでしょうか?

組織の業績については、残業ゼロ方針が打ちだされた際に、社長からは一時的に業績が落ちても構わない、生産性を上げて残業時間をゼロにする取組に邁進しなさいという指示があり、属人化の排除や多能工化を進めていました。

上記のように残業ゼロのための生産性向上や多能工化が寄与して、育休取得したからと言って組織の業績が落ちるという状態ではありません。

ただし、工場の作業者については、工場間のヘルプでサポートしきれない部分は、派遣契約で補う、営業に関しては一時的に部長が育休取得者の顧客サポートに廻るなどの調整は行っています。

一方、働き手の不安に関しては、お子さんの出産予定がわかったら、その社員の職長への情報共有や、育休開始までの業務引継ぎ、育休中の業務体制について検討していただき、部署的に問題ないように準備をしていただきます。

育休中の収入面に関する不安については、数パターンの育休取得期間シミュレーションを総務側で行い、奥様の里帰り状況や、育児休業給付金や、社会保険料の免除、行政の助成金なども含めた総収入イメージを作成し、不安を払拭するとともに、育休期間を確定しています。

また、育児休業に関する方針周知は、経営トップからの周知や、管理職への説明、表彰制度などを利用して文化として根付かせてきました。

・全体朝礼での社長からの育休取得促進の訓示

・管理職への育休制度説明

・自薦・他薦によるイクメン、イクボス表彰を全社集会で実施し、定期的に男性社員の育休取得の意識醸成

男性育休の状況について 本格的に導入された2017年の翌年から100%の取得が達成!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

株式会社サカタ製作所 https://www.sakata-s.co.jp/
編集後記

ワークライフバランスの大切さにいち早く気づき、2014年から残業ゼロに取り組んだサカタ製作所。
2017年からは男性育休取得が本格的に運用されたそうですが、最初のころは取得に不安を覚える男性社員が多かったそう。けれど取得して戻ってくると、「取得して良かった」とおっしゃる人がほとんどだそうです。育休取得後に男性社員にアンケートを取り、社内報に掲載して男性育休取得への啓蒙活動を行っています。その結果、今では「男性育休は取得するもの」という意識が社員に根付いているそうです。社員の意識がしっかり改革されていて、本当に素晴らしいと思いました!

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