【在宅ママインタビュー】やりたいことは口に出す!それが夢を叶える秘訣 ライター兼はぴはぴ編集長 平田麻子さん・後編

平田さんTOP後編


在宅・フリーランスという働き方を選択した”働くママ”への「在宅ママインタビュー」。
今回は横浜と川崎のママたちをつなぐフリーペーパー「はぴはぴ」の編集長をされているライターの平田麻子さんにお話を伺いました。
後編は、平田さんにライターとしての心構えフリーランスで仕事をする上で気をつけていることなどお尋ねしています。

フリーマガジン「はぴはぴ」について

わかります!育児中は頭が回らないから、検索ワードすら出てこない(笑)
子育てして初めて知る単語もありますよね。今までの生活では全く出てこない単語。そういうものをまとめた冊子ができたらと思いました。授乳しながらスマホを見るって罪悪感が出てきませんか?今となってはどうでもいいかな、と思いますけど。

確かに。授乳や育児中はスマホを触るのに少し罪悪感があるかもしれません。
だからこそ、はぴはぴは紙媒体。授乳中に冊子を読むというのであれば、ママたちが罪悪感を抱きにくいかと思いました。元々紙媒体が好きだったし、自分でメディアを運営することにも興味がありました。
いま「はぴはぴ」のディレクターをしている平塚たまえさん(平塚さんのインタビュー前編後編)や他の仲間に軽い気持ちでやってみない?と声かけしたら、みんな悩むことなく「やろう!」と言ってくれました。

はぴはぴは発足して9年ですよね。
2011年の3月に震災がありその8月に退社。2012年の1月初旬にはぴはぴを創刊しました。フリーマガジンを作ろう!と決めたのは10月です。そこから3ヶ月弱で、はぴはぴの第1号を出したことになります。

育児中と思えないスピードで動かれていますね!なんという行動力…!
はぴはぴを発足させてからも、2年くらいベビーマッサージ教室は続けていましたし。同時に開業される方の販促物を作る仕事もしていました。
はぴはぴは、ママたち4人でスタートさせたもので、予算があったわけではなかったんですよね。だから記事を書けば営業にも行くし、レイアウトも考えます。印刷会社への入稿もやりますよ。持ち寄りでいろいろこなさなくてはいけませんでした。メンバーの中で書籍を作ったり、記事を書いたことがあるのが私だけだったので、必然的に文字を書いたり編集したりするのは私が担当ということに。他のメンバーが別のことを担当してくれました。
私って文章を書けるじゃん!と思い出し(笑)、それからライターと名乗るようになりました。
編集長という肩書きはもらいましたけど、ライターの平田です、と取材先には挨拶をするようにしていました。ライターは資格が必要なわけではないし、名乗ったもの勝ちだから
そのうちに、はぴはぴのこの文章を書いた人があなただったらこの記事もお願いしたい、とお仕事を依頼されることも増えました。文章を書ける人を探しているから、会ってみない?と提案をいただくことも。それから今に至ります。

前職ではライターではなかったのでしょうか?
そうですね、文章を書くことはありましたが、ライターではありませんでした。広報とプロジェクトマネージャーという名刺を持っていました。状況に応じて使い分けていましたね。

メディアを立ち上げるときはメンバーを募ろうと思っていましたか?
媒体に関しては、いつかできたらいいなとは思っていました。けれど頭の中で具体的に計画をしていたわけではなかった。将来的な野望というか、夢物語のように捉えていたところがありますね。
平塚たまえさんやほかの創立メンバーは、もともとは私のお客さん。みんなサロンや教室を立ち上げたばかりの起業ママでもありました。たまたまみんなで集まっていたときに「やってみたいんだよね」という一言を発したら、そこにいたメンバーが賛同してくれました。逆に、それで覚悟が決まりましたね(笑)。この人たちとやるんだ!なんか運命的だなって。

9周年を迎えたはぴはぴ。歩みを止めず、発行し続けているのが素晴らしい!


本当に運命的ですよね。はぴはぴはそこから9年も発行されていますし。
口に出した、というのが大きかったと思います。私は「やってみたい」とポロッと口にしただけ。それをその時集まっていたメンバーが「やろう!」と賛同してくれて。
それからはあっという間にいろんなことが動き出して、みんな小さい子どもを抱えながら打ち合わせしましたね。

その思考がフリーランスとしては良かったのかもしれませんね 。
安請け合いするのは良くないですけれど、やりたいことにはチャレンジできますから。

逆に、在宅でフリーランスになって困ったことはありますか?
健康ですね! 通勤をしなくなるので、本当に1日歩かないでおこうと思えば歩かないで済みます(笑) 。万歩計アプリを確認したら、1日200歩しか歩いていない!なんてことも。子どもが小さい頃は公園遊びをしていましたけど、大きくなるにつれて一緒に公園に行くこともなくなりますから。
本当にちょっと意識して自分で健康管理をしないと体がどんどんしんどくなっていく。それで何とか意識して運動するようになりました。 なるべく毎日体を動かすようにしています。
会社が健康診断に行かせてくれるわけではないし、定期的に有休の取得を促されるわけでもない。私はワーカホリックなのでずっと仕事をし続けられます。だからこそ健康状態をキープできるように、体を動かすことを意識しています。
仕事場も自宅ですし、仕事スイッチとお母さんスイッチがなかなか切り替わらないんですよ。
通勤していた頃は、通勤時間でお母さんの自分を一旦置いて、社会人として仕事場に向かうことができました。そして帰宅時は、電車から降りるとお母さんに戻ることができました。
ずーっと自宅にいると、朝から家事をして、さあ仕事!という時のスイッチもなかなか意識しないと入らないんですよね…。
逆に子どもが帰宅してもお母さんスイッチが入らず、話しかけられているのに上の空になることも。
いつまで経っても仕事モードから抜け出せず、子どもの話にも集中できない…。
だからこそ、身体を動かしてスイッチを入れ替えていますね!

はぴはぴのリアルイベント
リアルイベントではたくさんのママ達が来場しています


コロナによる仕事の影響はありましたか?
ありました!
仕事の数も激減!とまではいきませんでしたが、減りました。ライターとしては取材もオンラインが増えて、地方出張にはほぼ行けなくなりました。
オンラインでお話しして記事にするのと実際お会いするのとでは、文章の温度感が違うなと感じます。
オンラインのインタビューだと、言葉のニュアンスやその方自身の熱量などを記事に載せるのに苦労します。オンライン上でやりとりするインタビューは、お会いして書く原稿よりも一本仕上げるのにかなり時間がかかるようになりました…。これは、フリーランスとしての時給単価が下がっているな、と感じます。ただ、こうしてオンラインでお会いしてお話ができるというのは、今の時代のメリットでもありますよね!

仕事や育児のバランスの取り方を教えて欲しいです!
育児と家事は…あんまりしない(笑)!月に数回家事代行をお願いしています。

敢えて家事をやらないという選択もいいですよね!全部母がやってしまうと、やってくれるものだと勘違いされそうですし
そうなんです!お母さんだから、家のことを全てやらなきゃいけないと思うとしんどいですし。家は家族全員のものなので、子どもたちも年齢に応じて家のことをできるようになれば良いと思います。

ライターとしての心構え

ライターになってからのお仕事での成功や失敗談が聞きたいです!
ライターとしては編集部から発注をいただいて書くことがほとんどです。今はレギュラーで3媒体書かせてもらっています。フリーペーパーや企業の広報誌などですね。
以前は月刊紙のお仕事も頂いていましたが、やはり締め切りがとてもタイトでした。その点、今携っている媒体は季刊誌なので、締め切りに多少の猶予があります。この点は子育てしていると非常にありがたいですね。子どもの体調が悪い時に締め切りに追われるとやはり厳しいので。
今の仕事はわりとスケジュールが組みやすいですね。

ライターとして、意識していることや心がけていることはありますか?
締め切りを守ること!
決めた締め切りは絶対守りますし、できますか?と聞かれたら、無理そうならば正直に言って交渉します。そこで折り合わなければその仕事とは縁がなかったということだと思います。締め切りがタイトであった時も、代案を提案するということを試みています。
だから、絶対に約束した締め切りは守りますね!

ライターや自分の文章を書く必要のある人にメッセージをいただけますか?
文章は訓練です。
日本人である以上、文章は必ず書けますから。文章が苦手で、国語が苦手で…とみなさんおっしゃるんですけれど、書けば書いただけ上手になりますし、たくさん人の書いた文章を読むことが上達への近道だと思います。
人が書いたものをたくさん読んで、自分も書いてみる。それを繰り返すと絶対書けるようになります。自分で起業されていらっしゃる方って、言いたいことや伝えたいことは必ずあるわけじゃないですか。伝えたいことがある人の文章は強いです。正しい文章じゃなくても、伝わる文章は書けます。
書けない!とためらわず、どんどん書いてみるのはどうでしょうか。

好きな作家さんを知りたいです!
私は有川浩さんですね。
ほかにも荻原浩さんや東野圭吾さんなど、割とライトにさらっと読める人が好きです。
資料で固い文章を読むことが多いので、プライベートでは肩肘張らずエンターテイメントとして読めるものを好んでいますね。

元々SEOの知識をお持ちだった、ということですが前職で培われたスキルでしょうか?
特別に学校に行っていたわけではありませんが、会社員時代に仕事のなかで知識を身に付けました。10年前はSEOもそれほど複雑ではなかったので。

ライティングスキルを高めるために、ご自身でされている勉強はありますか?
活字中毒ということもあって、いつも何かを読んでいたい。だから読むことは全く苦痛じゃありません。勉強の一貫として読書をしているわけではありませんが、本を読むことは文章を書く力になっていると思います。
興味のない分野の本にも手を出してみる、ということも意識しています。好みがあるので、選ぶ本も偏りが出がちですが、そこを敢えて知らない作家さんに手を出してみるとか。

買ったはいいけど、読まずに寝てしまう…という悩みも聞きますが。
眠くなりますよ!だって、みんな忙しいですからね!私も今は昔ほど読めなくなりました。睡眠優先になりました(笑)。
フリーランスを継続させるコツって、「あれもできない、これもできない」と、自分のできないことを数えてはいけないと思います。落ち込みますから。それに加えて、フリーランスは誰も褒めてくれないですよね。
「あれはできた、これもできた。」と自分を褒めてあげることがフリーランスとして活動することのコツだと思います。
本を読めずに寝てしまっても、「たくさん寝たから体力を回復できた!」と思うようにする。
フリーランスは怒られもしないけれど、褒められもしないので、自分自身に良い評価をつけてあげる努力が必要ではないでしょうか。
自分で決めてフリーランスになったのであれば、絶対楽しい方がいいですよね!
そう、楽しくやるのが大切だと思います。

仕事から離れている人は社会からの疎外感と言った不安を抱えていますよね。「私なんか…」と一歩を踏み出す勇気がない人へ向けたメッセージをいただいてよろしいでしょうか?
何かやりたい!という気持ちがあるなら、子どもが小さくてもチャレンジしてみるのがいいと思います。ただ、子育てに専念しているならば、「私には何もない…」と自分を卑下しないで欲しいです。
育児に専念している人たちにとって、活動している人たちはカッコよく、キラキラして見えるかもしれません。けれど、育児に専念すると決めたことも素敵な決断です。新しいことを始めようと思った時に、(育児に専念しているという)助走が長ければそれだけ長く飛べると思います。次のステップのための準備期間にいると思っていて欲しいですね。先に走っている人を羨ましいと思うかもしれませんが、準備期間があるということは幸せなことかもしれません。
この準備期間が終わったら、こんなことにチャレンジしようとあれこれ目標を立てるのもいいかも。
焦る気持ちもわかるけれど、振り返るとあの時間はすごく良かったな、と思い返す時が来るかもしれません。フリーランスという選択肢もあるかもしれませんし、会社員に戻る・専業主婦でいる・アルバイト・パートという業務形態にするといった選択もあります。
隣の芝生は青く見えるけど、自分の芝生も○、正解だと思うようにしたら良いのでは?
…と、色々言ってみましたが、私もあの時会社をやめなければ良かった!と悔やむことも多々あります(笑)。他の仕事をしているママ友がうらやましく思えることも。専業主婦で自分の家のことをしっかりやっているママも素敵ですよね。
だけど…他人の人生は生きられませんよね!
私にとってはこの人生が正解だったんだなと思うようにしています。

平田さんが発行されているフリーマガジンとオンラインコミュニティーの情報はこちらから↓
フリーマガジン はぴはぴ
オンラインコミュニティ ツナグマム
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編集後記

今回出ていただいた平田さんはライターさんで同業ということで、個人的にワクワクしていました!
インタビュー前にもやりとりをさせていただいたので、きっとインタビューはとても良いものになりそうと思っていたら、見事的中。終始、平田さんの仕事への情熱やポジティブさに感化されていました。私自身ライターとして、初心に戻った時間でもありました。
テンポの良い会話と返答。インタビュー後の清々しさと言ったらなかったです!
自分の人生を大切にしているつもりでも、周りの人と比べて「あれが足りない」「これが足りない」と自分を否定しがち。
私も育児に専念していた1年半ほどは「自分はからっぽ」と決め付けていたので、「育児期間は準備期間」という言葉に思わずウルっと来てしまいました(当時の自分に聞かせてあげたい。)
「無理かもしれない」と言いそうになるところを「私はできる」に変え、これからやりたいことを叶えるために、口に出そうと決意しました。