社員一人ひとりが最高のパフォーマンスを発揮するために― フィグニー株式会社 代表取締役社長兼CTO 里見 恵介さん・UIデザイナー 内藤 佑衣さん―

社員が本来の力を発揮するには、スキルや労働時間だけでなく心身のコンディションや私生活の安定が欠かせません。
フィグニー株式会社では、社員の声を受け止めて制度化する仕組みがあり、現場で働く社員がその制度を活かしながら成果を生み出しています。今回は、代表取締役社長兼CTO 里見 恵介さんと社員の内藤 佑衣さんにお話を伺い、働きやすさとやりがいを両立する環境づくりを紐解きます。

里見 恵介さんプロフィール

役職:代表取締役社長兼CTO
ご経歴:
2005年 同志社大学 中退
2005年~2015年 複数の企業にてエンジニアとして勤務
2015年 フリーランスとして開業
2017年 フィグニー株式会社設立 代表取締役及びCTOに就任
居住地:東京都

内藤 佑衣さんプロフィール

職業:UIデザイナー
担当業務:WebアプリやWebサイトの要件定義、設計、デザイン、PM
お子さんの年齢:3歳
居住地:東京都
勤務形態:ハイブリッド勤務(週4日在宅、週1出社、9:00〜16:00勤務)

会社設立の背景と想い

フィグニー株式会社を立ち上げた際、どのような課題や想いがありましたか?

里見さん:

開発者として働く中で、劣悪な開発環境に強い不満を感じていました。ただ、いわゆるブラックな環境そのものを否定していたわけではありません。長時間働いた分、知識やスキルが身につき、市場価値を高められるのであれば意味はあると考えています。
一方で、本当に何も得られず、ただ時間だけが過ぎていく環境こそ最もよくないと感じてきました。例えば、一日の大半を待ち時間に費やしてしまい、振り返っても知識も経験も残っていないような働き方です。そうした無駄をなくし、働いた分だけ確かな成長や手応えを得られる会社をつくりたい――その想いが、設立の出発点でした。

社員として入社された際、会社にどんな印象を持たれましたか?

内藤さん:

入社前はIT業界=残業が多いというイメージが強かったのですが、実際に働いてみると残業は少なく、働きやすさを感じました。入社当初はフルタイム、その後育休を経て現在は時短勤務に移行しましたが、その変化も柔軟に受け入れていただけたので安心でした。

社員の“コンディション”を大切にする理由

心や体の状態が仕事に与える影響をどう考えていますか?

里見さん:

自分自身も、もともとはソフトウェア開発の現場で働いてきました。朝が弱く、夕方から出勤して夜中まで作業するような生活を送っていたこともあります。調子が悪ければ休んでしまうこともあり、同じような社員も他にいました。
開発の仕事は、規律や厳しい管理だけで進められるものではありません。むしろ「面白いからやっている」という気持ちに支えられている人もいます。だからこそ、モチベーションや心身の状態を整えることが、そのまま成果に直結すると考えています。

実際に、心身のコンディションが成果に影響すると感じることはありますか?

内藤さん:

私は子どもを保育園に送ってから出社しているため、どうしても子どもの機嫌で遅れてしまうことがあります。ですが、当社では勤務開始時間に柔軟性があり、多少の遅れを厳しく咎められることはありません。そうした環境のおかげで落ち着いて仕事に向き合えています。

社員の声から生まれる制度とその効果

制度はどのように形になっているのでしょうか?

里見さん:

福利厚生は、基本的に社員の声を受け止めて制度化してきました。こういう制度が欲しいという声が直接届くこともあれば、人づてや飲み会で耳にすることもあります。それをもとに制度として整備しています。

実際に、どのような制度を利用されていますか?

内藤さん:

私は「リフレッシュ&チャージ」と「交流メシ」を活用しています。リフレッシュ&チャージは月7,000円まで補助があり、マッサージや美容院に使えます。交流メシは週1回の出社日にランチ代を会社が負担してくれる制度です。出社が少ないので、社員同士の貴重な交流の場となっています。

インタビュー時の追加エピソード

インタビュー中には「書籍読破リターン」制度の話題も上がりました。購入した本を一定期間内に読んでレポートを提出すると費用が補助される仕組みですが、1か月以内というルールは社員にとって少し厳しい面も。実際にその場で、もう少し緩和したほうが使いやすいとの意見に、里見さんが「緩めてもいい」と応じる場面がありました。このやりとりからも、制度が社員の声に合わせて柔軟に見直されていく様子が実際に垣間見れました。

ライフステージに寄り添う働き方

子育てや介護などライフステージの変化に、会社はどのように向き合っていますか?

里見さん:

私はマズローの欲求5段階説を経営の基盤に置いています。子育てや介護は、安全・安定の欲求にあたるものです。ここが満たされていなければパフォーマンスは発揮できません。だからこそ会社として守ることが重要だと考えています。
ただし、制度は善意が前提です。過去には二重勤務などで制度を悪用する社員もいました。だからこそ、制度の意図を理解してきちんと使ってくれる社員を採用し、信頼関係を基盤に運用していくことを重視しています。

実際に、子育てや家庭の事情に合わせて働けていると感じますか?

内藤さん:

子どもが風邪をひいたときには、柔軟に勤務を調整させてもらっています。私は6時間勤務ですが、子どものお昼寝時間や朝・夜のスキマ時間を組み合わせて3時間働けば大丈夫、と言っていただけました。個人事情に合わせて調整できるのは本当にありがたいです。
また、在宅勤務が基本なので通勤時間を子どもとの時間に充てられるのも魅力です。周囲の理解もあり、子どもの体調不良で数日休んでもサポートしていただけるので助かっています。

これからの働き方・展望

今後、どのような環境づくりに力を入れたいですか?

里見さん:

今後は身体的な健康増進に力を入れたいです。私自身、年齢を重ねて腰痛や視力の衰えを感じ、体力の低下がパフォーマンスに直結することを実感しました。社員が自ら健康に投資しないケースも多いため、福利厚生として整骨院などに通える制度を導入し、健康維持を支えていきたいと考えています。

また、AIの登場によってプログラマーの働き方そのものが大きく変わると考えています。タクシー運転手が自動運転に置き換わるようなインパクトで、従来のやり方をそのまま続けることはできません。しかもこれは、私自身が社員時代には経験していない領域です。だからこそ社員一人ひとりが自分で方法を見つけ、仲間と共有しながら新しい働き方を築いていく必要があるのです。

社員にとって、長く安心して挑戦し続けられる職場であるために、これからも大切にしたいことは何ですか?

里見さん:

何よりも大切なのは、トップである自分自身が安定し続けることだと考えています。考え方や立場をぶらさずに経営を続けること。それが売上の安定的な伸びにつながり、その成果を社員に正しく還元することができます。成長のサイクルを維持し続けることが、社員が安心して挑戦し続けられる環境づくりにつながると考えています。

ご自身のこれからの目標や、取り組んでいきたいことを教えてください。

内藤さん:

私はデザイナーとしての力を伸ばすことに加えて、プロジェクトマネージャーとしてクライアント対応も任されるようになりました。これからはUIやUXをさらに深め、クライアントだけでなくエンドユーザーの満足も追求していきたいです。
また、デザインに加えてマーケティングの知識にも踏み込み、より幅広い視点から製品づくりに貢献していきたいと思っています。

人事担当者様にお聞きしました。フィグニー株式会社はこんな会社

フィグニー株式会社様の主な事業内容と、事業の強み・特徴について教えてください。

事業内容
  • 基幹業務システム、Web、モバイルアプリ、xRアプリの受託開発
  • 法人向けエンジニア育成サービス
  • IT/技術コンサルティング
  • 採用サイト制作
強み・特徴
  • 企画から運用・保守まで、開発の全工程にワンストップで関与し、基幹業務システム開発、メタバース、3DCG制作、イラスト・動画制作なども含め、多岐にわたる開発領域に対応可能です。
  • システム開発においてはAIだけでなく、「人」と「経験」が重要であると考えており、100以上のフルスクラッチ開発実績を持っています。
  • 代表自身が数十の開発現場を経験した包括的な技術を持つ「叩き上げのエンジニア」です。技術を深く理解した代表が率いるエンジニアたちがお客様のご要望の実現に向け伴走するため、安心してご相談いただけます。
  • 社員の90%以上が技術職で構成されています。
  • モダンな技術や今後のトレンドとなる技術を積極的に取り入れ、スピーディな開発と高品質なものづくりに取り組んでいます。

企業として大切にしている価値観やカルチャー(ミッション・ビジョンなど)があれば教えてください。

経営理念

「変化と不安定を当たり前と受け入れ、思考し続けることのみが安定を生む。」
大企業であっても潰れる可能性がある不安定な世の中を生き抜くためには、常に自分の頭で考える能力が必要であるという強い思いがあり、フィグニーは、そういった自立した思考を持つ人材の集団でありたいと考えています。

ビジョン

「日本の開発力を底上げする」

エンジニアファースト
  • エンジニアの成長を重視し、Rust、Python、Flutterなど今後のトレンドとなる技術を積極的に取り入れ、長期的に活躍できる環境を整備しています。代表自身がエンジニアであるため、技術的なギャップや実現性に関する課題があったとしても、その理解を得ながら挑戦できる環境があります。
  • リモートワークが主体ですが、Slackでの会話はもちろんビデオ会議やハドルミーティングを多用したり、個人のつぶやきを共有するチャットグループを設けることで、チームの一体感を保っています。

編集後記

はたママ編集部

インタビューを通じて見えてきたのは、社員の声をもとに制度が生まれ、現場で実際に活用されているという仕組みでした。社員のコンディションやライフステージに配慮し、福利厚生や制度を整えてきました。社員はその制度を実際の働き方に取り入れ、日常業務や子育てとの両立に役立てています。また、制度は一度つくって終わりではなく、社員の声に応じて改良される点も特徴です。こうした取り組みが、社員が安心して挑戦し続けられる環境づくりにつながっていることが見えてきました。

関連リンク
フィグニー株式会社
https://www.fignny.co.jp/

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