医療分野でもリモートワークが可能な「遠隔読影」とは?子どもが成長してもサポートできる働き方が実現〜株式会社エムネス 放射線科医 岡田順子さん

 レントゲンやMRIなどの医療画像を診断する「読影」を、遠隔で行うサービスを提供している株式会社エムネス。育児をしながら放射線診断専門医として働く岡田さんは、自宅で遠隔画像診断をしているとか。現場で働くイメージが強い医療業界ですが、柔軟な働き方が可能な「遠隔読影」とは一体どういうものなのでしょうか。お話を伺いました!

遠隔画像診断を提供する株式会社エムネス

ーさっそくですが御社の事業内容を教えてください

弊社では放射線診断専門医による遠隔画像診断や病理医による遠隔病理診断サービスの提供を行っています。また、遠隔画像診断を可能とする医療支援クラウドプラットフォーム「LOOKREC」の開発提供のほか、車載CT検査装置のレンタルや、医用画像診断機器導入のコンサルティングも行っています。

ー働きやすい環境への取り組みや制度についてお聞かせください

2000年に創業したエムネスは、もともと遠隔画像診断を提供する会社ですので、医師を中心としてリモート勤務できる環境が整っていました。 とはいえ、コロナ禍前は出社スタイルの働き方がメインでしたが、2020年から医師に関わらず、どの業種でもリモートワークやスーパーフレックス勤務が可能となる制度を導入しました。フレキシブルな働き方を実現したことで、子育て世代の社員も増えていますし、女医さんの在籍も多い方だと思います。業務によって違いはありますが、働き方に関しても個人の裁量で決められる環境です。
また、リモートワークになり子育てに積極的に参加する男性社員が増えたと感じています。

ー現在の働き方による課題や対策などはありますか

やはり、リモートワークと出社のタイミングのズレによるコミュニケーションや情報共有の不足でしょうか。Webでの1on1やチームミーティングは頻繁に行っています。また、毎週ランチタイム中にラジオのような形で、その週にあった出来事と一緒にメンバー紹介をしています。最近では、2023年4月から業務以外で社員同士が集まるイベントを支援する制度も導入しました。

ー子育て中の社員にとってエムネスはどのような会社でしょうか

仕事を続けながら子育てができる環境を提供していますので、自身のキャリアを広げることができる場だと思っています。
子育てをしている親の目線を武器として、未来の子供、成長した自身の子、そして自分のために理想の医療が提供できるために何が必要か追及し、その仕事にやりがいが感じられる会社になれば良いですね。

岡田さんのキャリアや現在の働き方について

岡田順子さんプロフィール

職業:放射線科医
勤務年数:14~15年
勤務形態:正社員・常勤医師
お子さんの年齢:12歳
居住地:広島県

ー入社されたきっかけを教えてください

もともと、鳥取の大学病院で放射線科医として勤務していましたが、結婚を機に退職し広島へ転居しました。その頃、当時は数少なかった、遠隔での画像診断をやっている会社が広島にあると聞いていたんです。病院勤務をする選択肢もあったのですが、先輩医師の働き方を見て大変そうだなと思っていました。なので、今後の子育てのことを考え、時間が自由になりやすい働き方ができるエムネスへ入社を決めました。

ー担当している業務内容についてお聞かせください

患者さんを直接診療するわけではなく、送られてきた患者さんの画像を「読影」し、所見をレポートにして内科や外科の先生に送る仕事です。増え続ける医療画像のなか、迅速な診療をサポートしています。

ー「読影」という仕事を簡単に教えてください

みなさんが病院で撮られる、レントゲン画像やMRI画像を読むことを「読影」といいます。
日本はCTやMRIを撮る機械が突出して多いんですが、圧倒的に「読影」をする放射線科医が足りていないのが現状です。
エムネスで提供している「LOOKREC」というサービスを使用し、私たち放射線科医が遠隔で「読影」をしています。

安心して育休を取得できた

ーやはり、病院勤務だと子育てとの両立は大変だったなと思いますか

病院勤務ですと緊急外来の当直もあり、仕事量も多いので大変だったなと思いますね。 特に小さい子どもがいる時期は、周りのサポートがないと、急な体調不良などに対応することができないだろうなと。その面、エムネスでは自分の裁量で働けるので助かっています。今は仕事にも余裕を持って取り組めているので、子育てにも落ち着いて対応ができていますね。

ー入社後、お子さんを妊娠されたそうですが育休は取得されましたか

はい。入社して半年後に妊娠がわかったので、出産後9ヶ月間の育休を取得しました。育休中は画像を見せてもらい家で勉強することができました。

ー実際、取得してみていかがでしたか

子育てにしっかりと向き合えたので良かったです。病院勤務の場合は人員不足もあり、早く復帰しなくてはと焦りを感じたと思います。エムネスでは、多くの放射線科医が集まっているので、育休中はほかの先生に助けてもらえる環境があるので心強かったですし精神的な安心感は大きかったですね。
当時は出社がメインでしたが、復帰後は保育園が終わる頃には帰らせてもらっていましたし、リモートワークができる体制は整っていたので、何かあったときは家で働けたので気が楽でした。

子どものサポートができるリモートワークはありがたい

ー現在の働き方を教えてください

今はフルタイムで週4日リモートワーク、週1日エムネスの関連クリニックへ出社する形です。先ほどお話ししたように、2020年に全社的にリモートワーク等が可能な制度が導入されたので、そこからは本格的に在宅メインの働き方にシフトしました。業務時間内にできなかった仕事は、夕飯や家事が終わった後に少し残業したりして対応しています。

ーリモートワークは子育て中にはメリットが大きいですよね

中学生の子どもがいるんですが、子どもが大きくなっても行事参加だったり、急に必要なものを頼まれたりするんですよね。また、小さい時は保育園に全ておまかせでも良かったんですが、大きくなると手が離れる代わりに親が見ておかないといけない面が多くなったように思います。なので、子どものサポートができるリモートワークはありがたいです。

医療の分野に還元していきながら母業も

ー今後のどのように自身のキャリアを考えていらっしゃいますか

医療の分野も日々進歩していますので、勉強や資格の更新をしながら臨床の医療に還元していきたいです。今の働き方のスタイルだと、出先でも仕事が可能なので学会や研究会なども積極的に参加できたらいいですね。母業としては今後、子どもの受験や進学もありますので、仕事と両立していきながらしっかりと子育てもしていけたらと思っています。

編集後記

ライター・Oカダ

コロナ禍を経てオンライン診療が普及しましたが、それ以外に現場で働いている医療の仕事において、フルリモートで働ける分野があることに驚きました!エムネス様が提供している「遠隔画像診断」は、人材不足のなか、医療の現場や働く人にもメリットが大きいですよね。また、私も中学生の母なので、「今の時代は子どもが大きくなっても親が関わっていくことが多い」という岡田さんのお話しにとても共感しました。子育て中は、どの年代であっても子どものサポートができる環境が大切だと思います。

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