やりたいこと
「FirebaseAnalyticsとGoogle Analyticsを連携し、分析データを一元管理したい」そう思ったことのあるマーケティング担当者の方は多いのではないでしょうか?
この記事では、GTM(Google Tag Manager)というサービスを使って、FirebaseとGAを連携する方法をお伝えします。
連携できたら何が嬉しい?
FirebaseとGoogleAnalyticsの機能の差の為に、ウェブとアプリを同一条件での分析が難しかったのですが、FirebaseAnalyticsのデータをGoogleAnalyticsと連携することによって、Google Analyticsでウェブとアプリの分析を一元化できるようになります。
GTMの役割
Google Tag Managerは、FirebaseAnalyticsのイベントをトリガーに、GoogleAnalyticsへデータを転送する役割を担っています。
具体的な設定方法を、以下にまとめていきます。
前提条件
- アプリにFirebaseAnalytics、GoogleTagManagerが導入済みの状態であること
- 各導入方法は下記を参照ください。
- Android、iOSそれぞれのGTM コンテナが作成済みであること
GTMで連携する方法
GTMには、タグ、トリガー、変数という主に3つの設定が必要になってきます。
それぞれどんな役割なのかについて説明しつつ、設定手順を書いていきます。
今回は、Firebase側でカスタムイベント”event_A”に付与したパラメータ”param01″、パラメータ値”001″と設定されていて、パラメータ値が欲しい場合の設定について、詳しく説明していきます。
変数とは
Firebaseにて、各イベントにパラメータを設定していますが、そのパラメータ値を取得するための受け皿が、変数となります。
- 「変数」を選択し、変数一覧を表示します。
- 変数一覧画面にて、「新規」ボタンを押下します。
- 変数タイプを「Firebase>イベントパラメータ」に設定します。
- イベントタイプに「Custom Parameter」を選択します。
- イベントパラメータキーに、取得したいパラメータのキーを設定します。上の例であれば、「param01」を入力します。
- 任意の名前を設定します。
- 「保存」ボタンを押下します。






これで変数の設定は完了です!次にトリガーの設定を行います。
トリガーとは
トリガーとは、GTMのタグが応答するための条件を指定したものです。
例えば、event_Aに付与されたパラメータを取得したいときには、event_Aをトリガーに指定します。
- 「トリガー」を選択し、トリガー一覧を表示します。
- トリガー一覧画面にて、「新規」ボタンを押下します。
- トリガーのタイプを「その他>カスタム」に設定します。
- トリガーの発生場所に「一部のイベント」を選択します。
- 発生条件を指定します。今回はイベントを取得したいので、左に「Event Name」、中央は「等しい」、右に取得したいイベント「event_A」を指定します。この設定で、「イベント名がevent_Aに等しいとき」というトリガーが設定できます。
- 任意の名前を設定します。
- 「保存」ボタンを押下します。






これでトリガーの設定は完了です!次に、タグの設定を行います。
タグとは
GTMが実際にどのように動作するのか、を設定するのがタグです。今回の例の場合だと、GAにどう連携するのか、を設定するものです。
- 「タグ」を選択し、タグ一覧を表示します。
- タグ一覧画面にて、「新規」ボタンを押下します。
- タグタイプを「Google アナリティクス: ユニバーサル アナリティクス」に設定します。
- トラッキングタイプを「イベント」に設定します。
- イベントトラッキングパラメータを設定します。イベントトラッキングパラメータとは、GA側で表示される値になります。テキストボックスの右側のボタンを押下すると、設定した変数の一覧から選択が可能です。param01をGA側に連携するためには、ここに上で作成した「param01」の変数を指定します。
- Googleアナリティクス設定をします。※トラッキングIDの確認方法は別記事にします。
- 「このタグでオーバーライド設定を有効にする」にチェックを入れます。
- 配信トリガーに上で作成した「event_A」イベントのトリガーを設定します。
- 任意の名前を設定します。
- 「保存」ボタンを押下します。









ここまででGTMのタグの設定は完了です。
公開する
今までの手順で設定してきた内容を公開することで、FirebaseとGAの連携が開始します。
ワークスペース右上にある、「公開」ボタンを押下し、任意のバージョン名をつけ、「公開」ボタンを押下します。



アプリに反映させるためには、自動反映では最大12時間かかります。すぐ確認したい場合は、一度アプリを削除し再インストールしてください。そうすることでコンテナが即時反映されます。
連携結果
連携した結果が、下のキャプチャになります。
赤枠で囲った場所に、タグのイベントトラッキングパラメータに設定した値が表示されていることがわかります。






まとめ
GTMを使った、FirebaseとGAの基本的な連携方法についてまとめました。
今までアプリはFirebase、ウェブはGA、と異なる場所での確認が必要だったのが、連携することでGAでウェブとアプリが一緒に確認することが可能になります。GTMには他にも便利な使い方がたくさんあるので、また記事にまとめていきたいです。